2021.10.13
障害者や高齢者が支障なく日常生活を送れるように支援する人のことを、生活指導員というと聞いたことがあります。 具体的にはどういった仕事をするのでしょうか。また、どこで働いているのでしょう。生活支援員になるためにはどうすればいいのでしょうか。 さらに、介護に関する職業として、生活相談員や介護職員、世話人、職業指導員などたくさんのものがあります。これらの違いはどういった点なのでしょうか。
この記事では生活支援員の活動内容や就労場所などについて詳しく解説します。
目次
生活支援員とは、高齢者や障害者によりそって日常生活や就労のサポート、健康管理、身の回りの世話などを行います。働く介護施設によって仕事内容はだいぶ変わってきますが、生活支援員になるためには資格の取得は不要です。 しかし、障害に関する理解や専門的な知識や技術の習得は必要になります。そのため、社会福祉系の大学・短大や福祉系の専門学校を卒業後就職する人が多いようです。社会福祉士や精神保健福祉士などの資格がある人は就職の際に有利になると言えるでしょう。
充実したサービスが提供できるよう、関係機関とも連携をはかります。 例えば、サービス管理責任者が作成した個別支援計画書に従って相談や指導を行います。また、日中活動の見守りや介助など介護的な業務を行うこともあります。さらに、個別の機能訓練や職業指導や就労支援も行うこともあるようです。従って利用者の人権を重んじ、信頼関係を構築できる人が向いていると言えるでしょう。
生活支援員・生活相談員・介護職員、それぞれ障害者や高齢者の自立の支援や日常生活自立支援事業を行っている点では同じです。しかし、その役割や求められる資質には違いがあります。
生活支援員は福祉事業所や特別養護老人ホームなどで、障害者や高齢者が自立して生活できることをめざして直接支援を行います。また、ハローワークに同行したり、企業に同行したりして障害者ができる仕事を提案することもあります。
1人の障害者や高齢者のために幅広い支援を行うため、生活支援員に大切なのは障害者や高齢者の人権を尊重する気持ちがあることです。障害者や高齢者への愛情や共感によって、お互いの信頼関係を築かなければなりません。相手の気持ちに寄り添って、何を求めているのかを察知する能力が必要になります。
福祉事業所や特別養護老人ホームなどには、1名以上の生活相談員の配置が定められています。 主な業務は、介護事業所への契約手続きやオリエンテーション、予算や会計処理といった間接的支援です。障害者や高齢者の主治医やケアマネジャーなどと連携して仕事をすることもあります。主業務は相談援助業務ですが、利用者の自宅訪問や地域のケア会議に出席することもあります。
生活相談員は原則、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかの資格習得が必要です。 さらに、介護福祉士や介護支援専門員の資格も必要とする自治体もあります。より良い支援の実現のために利用者、家族、介護宿員などの関係者や関係機関と連携が必要です。そのため専門性とコミュニケーション能力が求められます。
介護職員とは、高齢者福祉施設や障害者福祉施設で働く職員です。 生活支援員と介護職員の違いは、介護職員の場合はケアマネージャーが作成するケアプランに従って介護を行う点になります。具体的な業務は介護施設に入所している障害者や高齢者の食事や排泄、入浴など生活の支援です。また、寝たきりの生活をしている高齢者を訪問して介護を行ったりもします。そのほか看護師の補助や食事・移動の介助、日誌作成、福祉用具の管理、居室清掃、外出などの行事の開催、家族への連絡と言った業務があります。
介護職員になるための資格は必要ありませんが、訪問介護員の場合は介護職員初任者研修が必須です。さらに国家資格の介護福祉士の資格があれば便利でしょう。
生活支援員が働く場所によって障害者や高齢者をどのようにサポートするか異なります。生活支援員が働く障害者や高齢者の生活・就労のための支援施設は以下の通りです。
特別養護老人ホーム・老人ホーム・デイサービスセンター・在宅介護支援センター
ここでは利用者の衣服の着脱や食事、入浴の際の介助、農業、園芸、陶芸等の各種作業の指導が行われます。生活支援員としての業務は利用者からの相談、施設内での支援計画策定、関係施設との調整、本人や関係者との打ち合わせ、家族への連絡、福祉施設や医療機関との連携などです。介護の仕事が中心となる施設もあります。
・障害者支援施設
障害者の健康管理や身の回りのサポートを行い質の高い生活の維持をめざします。
・就労移行支援事業所、就労継続支援(A型・B型)事業所
一般企業への就労を目標として就労に必要な技能を習得し、生活習慣を身につけるための支援を行います。また利用者のさまざまな悩みごとに関する相談も行うのです。
グループホームは障害者が共同で生活する事業所です。介護サービス包括型では、共同生活の日常の支援や介護の支援をおこないます。 また、「サテライト型住居」では、単身生活の介護を中心に行っています。なお、外部サービス利用型の場合は、介護サービスは外部の事業所に委託しているため生活支援員は配属されません。
・就労継続支援(A型・B型)事業所
一般企業等に就職することが難しい障害者に対して、就職のための訓練のサポートを行います。雇用契約を結ぶ場合(A型)と結ばない場合(B型)の2種類です。生活支援員は事業所利用者の健康管理の指導や生活上での相談、サービス管理責任者の補助をおこないます。
・就労移行支援事業所
一般企業への就職活動の支援、障害者1人1人の適性にあった仕事場の開拓、就職後の職場定着のサポートなども行います。ここでも、生活支援員は事業所利用者の生活上での相談、サービス管理責任者の補助、健康管理を行っているのです。
生活支援員になるために必ず取得しなければならない免許や資格や実務経験はありません。 志望動機は人それぞれでしょうが、福祉の仕事を考えている人は、求人募集から生活支援員のキーワードで検索してみてください。
必須ではありませんが、持っていると有利な資格は以下の通りです。
これ以外にも福祉に関係する資格を所持している人や、福祉事業所での実務経験者は有利なようです。まずは上記の資格を取得してみるという方法もありますね。
生活支援員は高齢者や障害者の暮らしを支える大切な仕事です。 将来への不安や、生活上の悩みを身近で相談に乗ってくれる大切な支援者の1人となります。生活支援員は夜勤がきつく、その割に正社員でも給料は安い傾向があります。しかし、今後は障害者総合支援法の制定などによって、福祉制度もますます充実したものになるでしょう。そういった背景からも生活指導員は今後、より一層その存在価値が高まり、待遇も改善されてくると思われます。
また、生活支援員の経験を積めばサービス管理責任者への昇格も望めます。さらに、国家資格の社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の資格取得のための実習が免除されるという特典もあるのです。
これから介護の仕事をはじめたいと思っている人は、やりがいのある生活指導員を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、障害者グループホーム「ファミリー」では、障害者とそのご家族の生活を支えるスタッフを募集しています。利用者の食事・洗濯・掃除などのサポート、訪問看護スタッフやマネジメントスタッフを随時募集しています。仕事にかける情熱と能力にあふれる方であれば、年齢・性別は不問です。キャリアアップも積極的に支援していますので、未経験の方や復帰を検討されている方もご安心ください。私たちと一緒に成長していきたい方、誰かのために一生懸命になれる方のご応募をお待ちしています。
栃木県・群馬県の障害者グループホーム ファミリー