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障害者枠の職種や雇用形態、一般枠との違いについて

障害者枠の職種や雇用形態、一般枠との違いについて

2022.11.09

2021年3月に、障害者が誇りのある自立した生活を送ることができるために、障害者雇用促進法が改訂されました。
「法定雇用率」が、従業員43.5人以上の企業が雇用する労働者の2.3%に引き上げられたのです。
障害者の雇用の促進のため、法定雇用率は、今後もますます引き上げられていくでしょう。

障害者が働くにあたっては、「障害者採用枠」と「一般採用枠」の2つの枠から選択することが可能です。
障害者枠の方は、障害者が働きやすいなどのメリットがある反面、収入が低いなどのデメリットもあります。

障害者にとっての、今後の生きがいのある働き方について考えてみましょう。

障害者枠のメリット・デメリット、一般枠との違い

障害者枠のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

配慮を受けることができる
障害者は、障害であることを公表することで、働きやすくなるための配慮を受けることができます。
障害者雇用の担当部署を持つ企業もあり、その部署が障害者の相談の窓口になっている場合があります。

障害者枠を持つ企業の場合、バリアフリーが完備されているなど、車椅子に乗った障害者や、視覚障害者が働きやすい、物理的な環境が整っていることが多いようです。
また、労働時間や業務内容を調整してもらうこともできます。

障害者求人に応募できる
大手企業を中心に、積極的に障害者雇用を進めているため、一般枠では採用が難しい企業でも、障害者枠を使えば受かりやすいようです。
障害者枠の応募者は、障害者手帳を持つことが条件とされており、人数も少ないため、一般枠より採用されやすいでしょう。

支援制度を利用しやすくなる
障害者は、障害者枠での就職活動をすることで、就労移行支援事業所等の就職支援を受けることができます。
面接の指導を受けたり、本番に同行してもらったり、履歴書の作成のサポートを行ってもらったりすることも可能です。

一方、デメリットとしては以下のものがあります。

給料が少ない
障害者枠での採用者は、一般枠での採用者に比べて平均的に手度入りの給与が安いようです。

理由としては、正社員としてフルタイムで働くことが多い一般採用枠での社員に比べて、障害者枠での社員は、非正規の有期雇用や時間短縮などの勤務形態が多いことがあります。
体力的・精神的に厳しい障害者の場合、フルタイム勤務は厳しいようです。
有期雇用の場合、勤続年数が短いために昇給がしにくいという実情もあるでしょう。

障害者求人の幅は狭い
また、障害者枠での社員の場合、ルーティンワークの割合が高く、仕事の範囲が狭いのもデメリットの1つです。
企業としては、障害者が障害の程度や内容を問わずにできる仕事に従事させなければなりません。
一般的に、外勤営業職など、精神的にも、体力的にも負担を感じる仕事よりも、事務職や軽作業といったルーティンワークの方が無難であると考えられがちです。

その結果、単純な仕事にマンネリ化して、モチベーションが上がらないという人も出てくるでしょう。

一般枠の方が求人の幅は広い
障害者は、一般雇用枠での雇用も可能です。
一般枠の方は、障害者枠よりもハローワークや求人サイトでの求人数も多く、仕事の幅も広く、企画力や技術力を問われる仕事が多いようです。
仕事はハードですが、評価もされやすく、昇給につながりやすいためやりがいがあります。

しかし、障害者が一般枠で就職した場合は、自分に障害があることを隠すことが多く、そのためストレスがたまりがちです。

自分にとって荷が重いと思われる仕事を頼まれても断れないこともあるでしょう。
また、他の社員に気をつかって、通院や服薬、通院ができなくなるおそれもあります。
残業や休日出勤も対応しなければならず、疲れても休憩を取りにくくなることもあるでしょう。

障害者枠の職種や雇用形態について

では、障害者枠での雇用に向いた仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。

事務
事務や事務補助の仕事は、障害者雇用の仕事としての求人も多く、どの企業でも求められる職種です。

具体的には、パソコンでのデータ入力、書類のファイリング、備品の管理、電話対応などで、身体的な負担は少ないものが多いでしょう。
在宅でできる仕事も多いようです。

経理
経理も事務と同様、パソコンを使った数値の入力や、仕入れや売り上げの管理といった作業が中心になります。
身体的な負担も、人と接することも少ないので、対人関係における精神的な負担も少ない方でしょう。

コールセンター
かかってきた電話に対応したり、自分から電話をかけたりします。
マニュアルがあって、何をどこまでサポートすればよいのかが示されているので、取り組みやすい仕事と言えるでしょう。

デザイナー
WEBデザイナー、ファッションデザイナー、グラフィックデザイナー、ゲームデザイナーなど、デザイナーの仕事はさまざまです。
デザインのセンスや、美術的な専門知識を持つ人にとっては、能力を活かすことができる職種でしょう。

工場内作業
部品の組み立て、仕分け、検品などの軽作業を行います。

単純な作業なので、臨機応変な対応や、変化への対応が苦手な人でも問題ありません。
とは言え、立ち仕事が多いので、体力がある程度ある人のほうがいいでしょう

農業
草取り、種まき、野菜を苗床から畑に移したり、収穫したりします。
温室などの施設で働くことも、屋外で働くこともあります。

仕事内容は定型化された単純なものが多いのですが、悪天候の中での作業もあるかもしれません。
体力には少し自信がある人の方がいいでしょう。

運送
昨今のコロナ禍の影響もあって、運送業の需要は高く、障害者の採用も多いようです。
車の運転ができれば、障害者でも特に問題ありません。

体力的には大変ですが、その分給料は高くなりますので、やる気のある人にはおすすめです。

梱包
工場内で梱包作業をする仕事も、障害者雇用の求人が多いようです。

最初は単純な作業ですが、次第に作業レベルが上がっていきます。
対人関係が少ないので、精神的負担も少なく、知的障害者や精神障害のある人に向いているでしょう。

清掃
工場、オフィス、福利厚生施設などの清掃をします。

例えば、ゴ三取集、モップ掛け、掃除機を使った清掃、窓掃除などの作業があります。
仕事内容はマニュアル化されており、対面で作業することが少ないので、対人関係が苦手な人でも安心でしょう。

エンジニアや翻訳などの専門職
工学に関する専門的な技術的な知識を持つ人や、外国語のスキルが高い人には、エンジニアや翻訳といった専門職があります。
座ってできる仕事なので、体力的な負担をかけたくない人にはいいでしょう。

その人の持つスキルによっては、高額の報酬を得ることも夢ではありません。

障害者雇用で働くための条件

障害者枠に応募できるのは、身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳のいずれかを持つことが条件です。
「障害者手帳」とは、この3つの手帳の総称であり、障害者手帳無しでは障害者雇用に応募できません。

身体障害者手帳とは、一定の期間以上続く身体上の障害がある人に交付される手帳です。

療育手帳(愛の手帳)とは、知的障害であると判定された原則18歳未満の人に交付される手帳です。

精神障害者保健福祉手帳とは、一定期間以上続く精神上の疾患があり、日常生活に制限が必要な人に交付される手帳です。

障害者のための様々なサポートを活用しましょう

障害者枠で働く人たちは、障害への配慮を優先させるため、相対的に労働時間が短く、勤続年数も短くなりがちです。

障害者としての配慮を得るためには、昇給・昇進などの待遇面はある程度あきらめざるを得ないのが現実でしょう。

しかし、障害年金や障害者控除といった障害者のための様々なサポートを上手に活用することで収入面の不足をカバーすることはできます。

その他にも、障害者手帳を持つことで、公共料金などの割引や、税金の控除・減免などを受けることも可能です。

ぜひ、こういった障害者のためのサポートを積極的に活用して、ワークライフバランスの取れた働き方ができるようにしましょう。

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