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高機能自閉症とは?主な症状や対処法、接し方について

高機能自閉症とは?主な症状や対処法、接し方について

2022.12.20

高機能自閉症とは、自閉症のうち知的発達の遅れはないのですが、言葉の発達に遅れがある症状です。

誰にも気が疲れず、本人も自覚しないままに、成人する人も多く、そのため、高機能自閉症の症状にいつまでも悩まされて、生きづらく感じている人も多いようです。

高機能障害とは、どのような症状があり、どのように対処したり、接したりすればいいのでしょうか。

この記事では、高機能自閉の対処方法などについて説明します。

高機能自閉症とは?

高機能自閉症の主な症状にはどういった点があるのでしょうか。
順番に見ていきましょう。

■3歳くらいまでに言葉の発達の遅れが見られる
赤ちゃんの時から3歳くらいまでに言葉によるコミュニケーションがうまくできない場合、年齢に合った言葉やコミュニケーション能力の発達に遅れがあるようです。

しかし、言葉の発達に遅れがありますが、高機能自閉症の場合、知能の発達は正常です。
幼少期後半から普通に言葉をしゃべれるようになります。

一方では、自閉症の場合、明らかな言葉の発達の遅れや、完全な欠如がみられます。

■社会的関係構築が難しい
あいまいなコミュニケーションが苦手で、相手から言われたことをストレートに受け取ってしまいます。
そのため、冗談が通じにくく、相手が何を考えているのか、表情から読み取ることができません。

■相手の気持ちが理解できない
何をどう相手の人が考えているのかを理解して行動することが苦手です。
関心がない話には一切興味を示さない反面、一方的に自分の興味分野の話をし続けてしまいます。

■その場の空気を読むことができない
集団内の暗黙のルールや慣習を推察して行動することができません。
そのため、自己中心的な性格だと思われがちです。

■特定のものにこだわりがある
ある物事へのこだわりが強く、興味を持ったものに対して異常に熱中します。
規則・法則性があるものを好みがちで、一定の領域のものに関しては高い知識を持ちます。
しかし、物事をやめられなくなるほど集中してしまうこともあるようです。

■興味があるものへの記憶力が高い
興味のある物事に関しては記憶力が高く、天才的な知識を持っています。
反面、興味がないことは、覚えられなかったり、すぐ忘れてしまったりしがちです。

■知的障害がない
高機能自閉症の場合、知的障害はありませんが言葉の遅れが見られます。

高機能自閉症と混同される発達障害の一種に、アスペルガー症候群というものがあります。
アスペルガー症候群の人は、対人コミュニケーションが苦手ですが、知的発達の遅れや障害はありません。

しかし、高機能自閉症も年齢を重ねるにつれて言葉が身に付き、アスペルガー症候群との違いがほとんどなくなってきます。
そのため、最近では、両者はほとんど区別されることがありません。

高機能自閉症の対処法

発達障害は、現時点では根本的な治療が難しいようです。
したがって高機能自閉症の対処方法としては、トレーニングを行ったりまわりのサポートによって症状をやわらげたりするしかありません。
子どもの頃は、言葉や身体機能など発達に遅れがある子どもに対して専門的な教育支援プログラムに従ったトレーニングである、「療育(発達支援)」を行います。
大人になってからは、対人関係をうまくこなすための社会生活技能を身につけ、障害の特性を自己管理する「ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)」を行うこともあります。
二次的な症状として、対人関係に悩んで抑うつ的になったり、眠れなくなったりした場合は、薬物療法を用いて、症状を緩和させることがあります。

薬には人によって合わない場合もありますし、副作用もあるので、特に小さな子どもは、主治医と十分に相談しながら慎重に服薬を行うべきでしょう。

就労移行支援を利用して、適性のある職種を見極め、職業や社会的なスキルを習得するのも良いでしょう。

あわせて、環境調整やカウンセリングを行います。
障害があるなしに関係なく、平等な就労の機会を得るための個別の対応や支援のことを「合理的配慮」と言います。

この合理的配慮に基づいて、まわりの人の理解と配慮を得ながら、過ごしやすくなるように「環境調整」を行います。
また医師や心理療法士などから生活や仕事に関する悩みの解消についてアドバイスを受けることも可能です。

高機能自閉症をお持ちの方への接し方

更衣能自閉症をお持ちの方への接し方にはいくつかの方法があります。
順番にご紹介しましょう。

1.予定やその変更等はなるべく早く伝える
高機能自閉症を持つ方は、自分自身で決めた予定や手順などに強いこだわりがあります。
そのため、段取りを急に変えられたり、強引に変えようとしたりすると混乱を生じてしまいがちです。
そのため、前もって、予定やその変更を予告して、理解させておくことが必要でしょう。

2.言葉だけではなく視覚的な支持を活用する
高機能障害を持つ人は、おおまかな空間や時間の把握が難しいことが多いようです。
写真や文字カード、イラストなどを使って、1日のスケジュールや手順を明確にしたり、空間を目的に合わせて仕切ってあげたりしましょう。
そうすれば、何をする場所なのかが明確になり、行動しやすくなります。

3.指示は簡潔・具体的に
高機能障害を持つ子どもには、「きちんと」や「ちゃんと」といったあいまいで抽象的な言葉だと、定義もはっきりしないのでわかりづらいようです。

例としては、「ちゃんと片づけてね」と言うのではなく、「箱の中におもちゃを入れて」などと具体的に言う方が、実行しやすくなります。

また、「騒がないで」といった否定的な言い方ではなく、「静かにしよう」といった肯定的な言い方の方が理解しやすいでしょう。

4.注意を引く工夫をする
口で伝えるだけでは聞いてないこともありますし、聞こえていても注意が散漫な時があります。
注意を喚起するために、名前を読んだり、肩をたたいてあげたり、目を合わせたりしながら話しかけるといった工夫をすれば、確実にやって欲しいことを伝えることができるでしょう。

5.できる行動をほめてあげる
どのような行動をとったらよいかを分かりやすく示すようにしましょう。
高機能自閉症の子どもは、どのようにコミュニケーションを取ったり、行動したりすればよいのかがよくわからない場合が多いからです。

うまく行動できた時は、すかさずほめてあげると、うれしく感じ、行動を定着します。

比較的難しい行動をさせたいときは、部分的にできるようにやり方を工夫したり、まわりの人ともコミュニケーションが取れるようにしてあげたりしましょう。

高機能自閉症の特性を理解し、上手に付き合っていくこと

高機能自閉症とは、知的発達の遅れを伴わない自閉症です。
高機能自閉症であることに気が付かずに大人になって、眠れなくなったり、抑うつ的になったりといった二次障害を招いてしまう人も多いようです。

高機能障害と診断された人は、その特性を無理に変えようとせず、むしろその長所を生かすことができるような環境づくりに注目するようにしましょう。

発達障害者支援センターや就労移行支援といったものを利用したり、合理的配慮に基づく環境調整を実践したりすることも有効です。

高機能障害とは、その特性を理解したうえで上手に付き合っていくこととしましょう。

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