知能検査とは?種類や受診方法をまとめてご紹介 - 障がい者グループホーム ファミリー|栃木県宇都宮市

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知能検査とは?種類や受診方法をまとめてご紹介

知能検査とは?種類や受診方法をまとめてご紹介

2023.01.10

こんにちは。栃木県・群馬県の障害者グループホーム「ファミリー」編集部です。

知能検査といえば、IQ(知能指数)を算出することと思っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、知能検査の本来の目的は、IQを算出することではありません。

人は誰でも、国語が得意、スポーツが得意、絵を描くのが得意、工作が得意、料理が得意など、得意・不得意があります。

このような誰もが持つ得意不得意に関し、知能検査により受検者の客観的なデータを得ることで、よりよい支援に繋げるのが本当の目的です。

知能検査とはどういうものなのか、種類や受診方法はどうするのかなどについて見ていくこととしましょう。

知能検査とは?

知能検査とは、心理検査の1つで、認知能力、すなわち物事を理解し、知識し、課題を解決する力を測定するものです。

IQという知能指数、知能偏差値、精神年齢などによって認知発達の度合いを測定します。
その結果、受検者の得意・不得意を分析し、発達支援や学習指導といった支援に役立てるのです。

IQはInteligence quotientの略であり、知能のレベルを評価するための指標になります。
IQの値による分類は130以上なら極めて優秀、120-129なら優秀、110-119なら平均の上です。
90~109点が平均とされ、80~89点なら平均の下で、70~79点なら境界線級/ボーダーラインであり、70未満なら知的障害とされています。

しかし、知能の考え方や測定方法はさまざまで、認知や知能の考え方に違いがあり、検査内容、IQの算出方法も異なっているのが現状です。

知能検査の種類とそれぞれの特徴

知能検査の検査形態は、受検者と検査者が対面で行う「個別式検査」と、たくさんの人が小学校などで筆記式試験を行う「集団式検査」とがあります。
集団式検査には無料で受検できるオンライン形式のものもあります。

集団式知能検査を受けた後、知能や発達の問題点が発見されたら、続けて個別式検査を受けるのが一般的な流れです。

個別式知能検査の種類には以下のものがあります。

1.ウェクスラー式知能検査
子どもから大人に最も使用される知能検査で、以下の3つに分類されます。
(1)WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)
ウィスクともいい、適用年齢は、5歳0カ月〜16歳11カ月の子どもで、実施時間はだいたい90分以内です。

(2)WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)
ウェイスともいい、適用年齢は、16歳〜89の大人で、実施時間はだいたい90分以内になります。

(3)WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)
ウィプシともいい、適用年齢は3歳10カ月〜7歳1カ月の幼児で、実施時間はだいたい60分以内です。

第4版(WISC-IV)、第4版(WAIS-IV)、第3版(WPPSI-III)が日本では最新のものになります。
(2019年6月時点)

ウェクスラー式知能検査では、精神年齢や比例IQは算出されず、偏差IQを算出するものです。
さらに複数のテストの結果となる全検査IQおよび知的機能の領域ごとの指標が算出されます。

2.田中ビネー知能検査
基本的に精神年齢を用いた比例IQを算出するもので、ビネー-シモン法の伝統を残した知能検査の一つです。

適用年齢の範囲は2歳~大人で、実施時間はだいたい60分~90分です。

偏差IQを算出できますが、14歳以上の場合は、比例IQは算出せず、偏差IQのみを算出します。

検査に使われる道具が工夫されており、子どもが興味を持てるようになっているのが特徴です。

最新版は、『田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)』で、病院の他にも発達相談や教育相談における知的発達のアセスメントで使われています。

問題には、1歳級から13歳級までの各年齢用のものと、大人用のものとがあり、1歳級以下用の検査には、「発達チェック」も含まれているのが特徴です。

5~6歳の小学生にあたる年齢用として、「就学児版田中ビネー知能検査V(ファイブ)」という特別な配慮が必要かどうかを判断する検査もあります。

3.DN-CAS 認知評価システム
神経心理学における「PASS理論」を基礎としている心理検査で、「プランニング」、「注意」、「同時処理」、「継次処理」の4つから構成されています。

適用年齢の範囲は5歳~17歳11カ月で、実施時間は40分~60分です。

子どもの認知的偏りの傾向、例えば、LD(学習障害)、ADHD(発達障害)、自閉症スペクトラといった傾向を把握し、援助の手掛かりを得るための検査となります。

4.KABC心理・教育アセスメントバッテリー
認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から、子どもの知的能力を評価する検査になります。

適用年齢の範囲は2歳6カ月~18歳11カ月で、実施時間は30分~60分です。

検査によって判明した子どもの得意な認知処理様式を、実際の指導や教育に生かすことができます。

2013年に第2版「日本版KABC-Ⅱ」がリリースされ、検査内容が大幅に変更されるとともに、適応年齢が12歳から18歳に変更となりました。

5.レーヴン色彩マトリックス検査
知能の流動性の側面を測定する検査になります。
適用年齢の範囲は45歳以上で、実施時間はだいたい10分~15分です。

短時間かつ簡易に失語症や認知症の検査を行うことができます。
印刷された絵や写真の配列から規則性を考え、導き出すもので、言語能力に依存するものではありません。

知能検査の受診方法

知能検査を受けたい場合は、病院や児童発達支援センターで可能です。

病院の場合は、精神科や臨床心理士による検査が受けられる公的あるいは民間病院で受診するといいでしょう。

また、病院によって知能検査の受け方や費用は違ってきます。
詳しい内容は、受診する病院に問い合わせましょう。

具体的には、病院で診療上必要だと認められたWAIS・WISCの検査は保険内診療となり、負担費用は、診療報酬点数の規定に基づき1350円です。
さらに、診断書や報告書が必要な場合は、病院ごとに異なる別途料金を負担しなければなりません。

経過観察目的などを保護者からの希望を受け入れ、独自に病院やクリニックが設定する保険外診療のプランで検査を受ける場合は、自費による診療になります。

また、診察上必要だと認められない場合や、保険診療を行っていないクリニック等で検査を受ける場合も自費負担です。
検査費用に報告書費用を加えた自費負担額は病院によって異なりますが、1万~2万円程度でしょう。

知能検査は子どもの伸びしろと支援策を考えるヒントになる

知能検査は、IQの数値を知ることや、不足している能力を知るためのものではありません。
子どもが得意なことを知り、そしてその特性を伸ばすためにどんな支援策があるのかを考えるヒントになるものです。

検査をしても、結果を見ずにそのまま放置しておくのでは、せっかくの子どもの伸びる芽をつんでしまうことになります。

検査の結果をじっくりと吟味して、将来的に子どもが豊かな生活をして、自分の人生に喜びを感じることができるよう支援策を考えてあげましょう。

知能検査は、子どもの伸びしろと支援策を考えるヒントをあたえてくれる大切な検査なのです。

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