2024.01.10
こんにちは。栃木県・群馬県の障害者グループホーム「ファミリー」編集部です。
恐怖症とは、強い恐怖や不安を感じることであり、さまざまな種類のものがあります。
ある1つのものや、特定の状態がとてつもなく怖いと感じ、 (もしかして自分は恐怖症かもしれない・・・)とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、恐怖症の種類や原因、症状に合わせた適切な治療法について詳しく解説します。
ぜひ、この機会に恐怖症について理解していきましょう。
目次
恐怖症とは、特定のものや状況という恐怖の対象に遭遇した時に、極度の恐怖心を持つ精神疾患です。 特定の対象に対する強い恐怖心のあまり、日々、精神的・肉体的な苦痛を感じたり、その対象を避ける「回避行動」をとったりするため、生活や仕事に支障が出たりしてしまいます。 具体的には、血を見るのが怖いので病院へ行きたがらなかったり、エレベーターが怖いので、タワーマンションの上層階に部屋があっても、階段を使って登ったりします。
高所や血液などは多くの人が恐怖心を感じるものですが、想像するだけでも冷や汗が出てきたり、息苦しくなったり、泣き叫ぶほどの拒否感が出てくるものであれば恐怖症である可能性があります。
恐怖症は、うつ病などの他の精神疾患と合併することがあり、10歳以前の人に多く発症し、男性に比べて女性の方が、限局性恐怖症を発症しやすいのが特徴です。 恐怖症の例としては以下のものがあります。
・飛行機やエレベーターなどに対する恐怖症(恐怖症の中でも特に多い) ・社交不安障害(SAD) ・トラウマ後ストレス障害(PTSD) ・血液・注射・外科手術に対する恐怖症(BII恐怖症) ・汚染に対する恐怖症(強迫性障害の一種) ・特定の場所・ものに対する恐怖症
例えば、 ・高いところが怖い…高所恐怖症 ・暗いところが怖い…暗所恐怖症 ・狭いところが怖い…閉所恐怖症 ・尖ったものや鋭いものが怖い…先端恐怖症 ・特定の動物が怖い…動物恐怖症 ・男性が怖い…男性恐怖症 ・女性が怖い…女性恐怖症 ・注射が怖い…注射恐怖症 ・小さな穴や斑点などの集合体が怖い…集合体恐怖症 ・自分もしくは他人が吐くことが怖い…嘔吐恐怖症 ・雷が怖い…雷恐怖症 ・橋を渡ることが怖い…渡橋恐怖症 ・数字の13が怖い…13恐怖症 ・数字の4が怖い…4恐怖症 ・幽霊が怖い…幽霊恐怖症 ・ピエロが怖い…ピエロ恐怖症
1人で複数のものや状況に恐怖を覚える場合もあります。
なお、「恐怖症」にはアメリカ精神医学会の「DSM-5」による診断基準が、以下のように定められています。 ・誰が見ても明らかな恐怖や不安がある ・恐怖や不安が6カ月以上続いている ・恐怖や不安の強さが実際の危険度に釣り合わない ・恐怖や不安を、ほぼ毎回、即時に誘発する ・不安や恐怖を感じる状況や対象を積極的に回避している ・恐怖や不安、回避が社会的もしくは職業的に機能障害を引き起こしている ・他の精神疾患では説明がつかない 上記のような場合でも、日常生活や社会生活に支障をきたしてなければ、限局性恐怖症とは言えません。
「環境要因」と「遺伝要因」の2つの要因が恐怖症にはあるようですが、はっきりした原因は不明です。 「環境要因」としては、例えば、エレベーターに閉じ込められたり、交通事故や火災の報現場を目撃したりといった恐怖や衝撃的な過去の体験がトラウマとなることもあります。
「遺伝要因」としては、親に犬、ヘビ、クモなどを怖がる物恐怖症や、高所恐怖症、暗所恐怖症などがある場合、子どもが同様の恐怖症を発症するケースも見られるようです。 また、血管迷走神経反射のように、体の反応によって精神的な恐怖の感情を引き起こす身体的疾患を要因とするものもあります。 さらに、薬物やアルコールの使用により、恐怖症を発症するケースもあるようです。
恐怖症になると精神面や肉体面にどのような症状が現れてくるのでしょうか。 精神面では、特定の状況に遭遇した場合やものを見た場合に強い不安感を抱き、発作的にパニックを起こすことがあります。
例えば、血液恐怖症や負傷型恐怖症の場合は、注射針や侵襲的な医療処置に対して嫌悪感を抱きやすくなります。 また、歯医者恐怖症の場合は、嫌悪感よりも恐怖心を抱きやすくなるようです。 ゴキブリやクモ、ヘビなどを怖がる動物恐怖症の場合、恐怖というよりは、嫌悪感を強く抱きます。
肉体面では、緊張したり不眠になったりすることもありますし、頭痛や吐き気などが起きることがあります。 恐怖の対象から避ける行動をとるため、社交的孤立を招いてしまうこともあるようです。
恐怖症を治療するにはどのような方法があるのでしょうか。 恐怖症の治療方法には、精神療法と薬物療法の2つの方法があります。
精神療法 一例として、「エクスポージャー法(暴露療法)」をご紹介します。
この方法は、不安や恐怖を感じるものや対象に、少しずつ慣らしていくことで、恐怖や不安を感じなくさせるものです。 例えば、動物恐怖症の場合は、最初は動物の写真や絵を見せます。 慣れてきたら、続いて少し離れたところから眺めていたり、檻の外から見たりして、実物に慣らしていき、恐怖心を取り除いていきます。
動物に限らず、他の恐怖症も、同じようにして治療することが可能です。 また、高所恐怖症や閉所恐怖症などの場合は、実際の場面を再現するのが困難なので、「仮想現実曝露療法」というIT技術を使って状況を再現させる方法もあります。
薬物療法 抑うつ状態やパニック発作などが発症した場合は、治療薬として抗うつ薬や抗不安薬が用いられることもあります。 しかし、現時点では薬物療法の限局性恐怖症に対する効果に関するデーターは不十分であり、はっきりと効果が認められたわけではありません。
恐怖症を予防するために日頃からどのようなことに気をつけておくべきでしょうか。 恐怖症はストレスが原因の1つとされています。 家族や職場の仲間と楽しく会話したり、趣味を楽しんだりしてストレスを減らす工夫をすることが一番大切でしょう。
また、日頃から体調を整えておくことも大切です。 規則的な時間に就寝し、質の高い睡眠をとること、ウォーキングやジョギングなど適度な運動を行うこと、さらに栄養バランスのとれた健康的な食事を心がけるようにしましょう。
恐怖症にはさまざまな種類があり、その原因や症状も異なりますが、適切な治療法や予防方法を身につけることで、恐怖症に対する克服が可能です。 医者やカウンセラーに相談することで、自分に合った治療法を見つけることが可能です。
特定のものに恐怖を感じて、生活や仕事に支障が出ていると感じたら、精神科や心療内科を受診してみることをおすすめします。
恐怖症は、日常生活のみならず仕事を行ううえでも支障をきたしてしまう場合があります。 自分は恐怖症かもしれないと思ったら、なるべく早く医師やカウンセラーに相談しましょう。
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