2024.02.15
こんにちは。栃木県・群馬県の障害者グループホーム「ファミリー」編集部です。
ダイエットを成功させたいとか、英会話ができるようになりたいとか、マラソン大会で完走できるようになりたいとか、一人ひとりさまざまな目標があります。 大きな目標を達成するためには、スモールステップが効果的です。 この記事では、スモールステップの効果や継続するためのコツ、実践例について詳しく解説します。
目次
スモールステップとは言葉通り、小さな段階(ステップ)を踏むことです。 大きな目標に対し、タスクを細かいステップに分割して、いくつかの小目標をたてて、スケジュールに従って順番にこなしていき、最終的に大きな目を達成する手法のことです。
スモールステップの効果は大きく3つあります。
1つはモチベーションを維持しやすいことです。 いきなりフルマラソンを走ろうとするのは無謀ですが、「10分間走ってみる」「3km走ってみる」など目標を小さくしていくと達成しやすくなります。 一見、達成不可能な大きな目標も、スモールステップにより小さな目標に分割することにより、目標の難易度が下がるため、失敗も少なくなります。 その結果、たくさんの成功体験を得ることができ、モチベーションの維持も可能です。
2つ目は問題や課題に気付きやすくなることです。 小さく分割された目標に取り組むことで、目標達成への問題点や課題にも気付きやすくなります。 たとえば、マラソンの練習を重ねていくと体力・スピード・メンタルなどで課題が出てきます。3km走るとひどい筋肉痛が襲ってくる場合、筋力トレーニングも合わせて行った方が良いかもしれません。小さな目標を作ることで課題が見つかりやすくなり、改善できるチャンスを得られます。
3つ目は指導がしやすくなることです。 こちらは他者の成長を促す際のポイントになります。 小さく分割された目標は、達成までの期間が短くなり、ハードルも低くなるため、的を絞った小まめな指導ができます。 また、実施者ができることとできないことの区別が明確になるため、効果的な指導を行うことが可能です。
それでは、スモールステップを継続するためにはどのようなコツがあるのでしょうか。
まずは最終目標の明確な設定が大切です。 最終目標に対してスモールステップを順番に踏んでいくことになるため、最終目標は具体的で明確なものである必要があります。
続いて、最終目標までのプロセスをよく観察して、タスクを実施者のスキルやレベルに合わせて分割します。 ポイントは、1つのスモールステップは30分以内で達成できるボリュームに細分化し、実施者が無理をしなくても消化できるものにすることです。
難なくこなせるように細分化したステップを、一つずつ順番に確実に消化するためのスケジュールを作成しましょう。 なお、ステップを達成するごとに小さなご褒美を与えるという方法をおすすめします。 脳内のドーパミン神経系回路が刺激され、やる気や楽しさが倍増します。
小さなステップを達成するたびに、都度ポジティブに言葉をかけてあげたり褒めたりすてあげることが大切です。 そうすればステップを達成した充実感や達成感をさらに高めることができ、次のステップへと向かうモチベーションも向上します。
次に、スモールステップの実践例をご紹介しましょう。
1ヶ月で1kgを減量するという最終目標に向かって以下のスモールステップを踏んでいきます。 ・おやつを食べない ・食べる量を腹8分目にする ・食べる順番を野菜からにする ・炭水化物の量を2分の1にする ・1駅前から歩く ・毎日1㎞走る ・毎日の体重を記録
このように行動目標を立てて、成功体験を積むことにより、目標達成が可能です。
日常英会話をマスターできるという最終目標に向けて、以下のように負担の少ないスモールステップを踏んでいきます。
・英語であいさつができる ・簡単な自己紹介ができる ・1日10個の単語を覚える ・文法の参考書を1日5ページ読む ・毎日オンライン英会話を行う
フルマラソンを完走できるようになるという最終目標に向けて以下のスモールステップを踏んでいきます。
・1kmのラン&ウォーキングを行う ・2km、3kmと距離を少しずつ伸ばしていき、普通に走れるようにする ・ランニング用のウェア・シューズを新調する ・コースを変えて走る(走るコースを変えると、新しい道や建物などの発見があり、走るのが楽しくなります。) ・タイムを記録し、目標タイムにどれだけ近づいているのかを可視化する ・5kmに挑戦する ・10kmに挑戦する ・ハーフマラソン大会に出場する ・30kmに挑戦する ・フルマラソン大会で完走する
医療や介護に携わる人が個人目標を設定する際は、いつまで何をするのかを明らかにすることがポイントとなります。 年間目標に対して段階的な目標を設定することで、取り組みやすくなりますし、進捗(しんちょく)状況の可視化も可能です。 例えば、医療現場の場合は、看護師が「手術前の説明が出来るようになる」という最終目標があるとしましょう。 「先輩が手術前の説明をしているのをメモして流れを理解する」というスモールステップから始めていったりします。 介護職の場合は、「自分1人で要介護5の人の車椅子への移乗介助ができる」という最終目標にがるとしますしょう。 まずは、半年間で「ボディメカニクスの基礎をマスターする」というスモールステップをクリアし、次の半年間で「ボディメカニクスによる移乗介助をマスターする」というスモールステップをクリアします。
スモールステップで効果が実感できるようにするにはどういったポイントがあるのでしょうか。
1つは進捗状況を簡単に記録するなど、進捗状況を可視化することです。 1日の勉強時間を記録したり、1日の歩いた歩数を記録したり、毎日の体重を記録したりといった具合です。 毎日の勉強時間の記録により、客観的に自分の行動を振り返ってみることで、自己管理能力を高めることができます。 さらに、勉強時間の実績が可視化できることで、達成感を高めることも可能です。
スモールステップをクリアすることによって、段階的に達成可能な課題を設けます。 課題をクリアする毎に小さな成功体験を獲得し、その成功体験が積み重ねられることで、大きな達成感の獲得が可能です。 さらに、大きな達成感を得ることでモチベーションも向上します。
スモールステップを実践する際に気をつけなければならないのは、どういった点なのでしょうか。
スモールステップでは、小目標をいくつか設定しますが、達成可能な、シンプルで分かりやすいものとするのが常識です。 しかし、1つ1つの目標を小さくしすぎると、ゴールまでのプロセスが増え、本来の目標が見えなくなり、かえってモチベーションが低下してしまいます。
小目標は、順番にも注意が必要です。 順番の考え方としては、一番簡単なものから選ぶか、あるいは早く達成できそうなものから選ぶのが基本です。 例えば、5㎞走れる持久力をつけることと、マラソン大会に出場できる持久力をつけるのでは、まずは5㎞走れることをめざします。 その後、マラソンを完走できる持久力づくりにステップアップするでしょう。
スモールステップは、大きな目標を達成するために効果的な手段です。 継続するためには、目標の明確化やタスクの分割、スケジュールの作成などが重要です。 また、小さな成功体験を積み重ね、進捗状況を可視化することで、モチベーションも維持できます。 ただし、目標が小さすぎないように注意し、ステップの順序にも気をつける必要があります。 スモールステップを着実に踏んでいくことで、困難な目標を達成し、大きな成功をつかんでみませんか。
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