2024.02.20
こんにちは。栃木県・群馬県の障害者グループホーム「ファミリー」編集部です。
うつ病など心の不調のため休職した人が復職するための制度を「リワーク」、あるいは「職場復帰プログラム」や「復職支援プログラム」と呼ばれます。
復職を検討している人は、早く復帰したいという気持ちと、復職することへの不安が混ざった複雑な気持ちがあるでしょう。
そんな人を支援するための「リワーク」には、いったいどんな効果があるのでしょうか。
この記事では、リワークのプログラム内容や効果、費用などについてわかりやすく解説します。
目次
「リワーク」とは、精神の不調をきたした人が休職して、復帰する際に長く働き続けることができるように、「セルフケア」などを取り入れて復職を準備するための制度のことです。
「セルフケア」とはいわゆる自己管理のことであり、体力作りや健康相談の他にもストレスに対するケアも含まれます。 ストレスへの対処法を身につけることで、何かストレスがあっても常に心身の安定を保つことができるものです。
リワークを受けることができる施設には、医療機関、公的機関、民間の事業所などがあり、あくまでも休職者が対象となっています。
こういった施設に通いながら、ストレスコントロールプログラムやグループディスカッション、 パソコンなどの軽作業を行います。 そうして、復職後も無理なく、いつまでも働き続けることができるスキルを身につけるのです。
リワークの効果には以下の2つがあります。
①復職への負担を減らす ②働き続けるスキルを身につける
それぞれについて解説しましょう。
長い間、休職していて復職する場合、今までの生活とこれからの職場での生活との大きなギャップがあるため、それが復職者にとって大きな負担となります。
決まった時間に通勤しなければなりませんし、人間関係のわずらわしさも大きな重荷となって、次第にまた苦しくなってしまいます。
そうならないためにも、リワークで生活リズムを整え、体と心を慣らしていくことで、復職への心身の負担をおさえスムーズに職場復帰ができるようにします。
うつ病などの精神疾患は再発しやすく、再発率は6割とも言われており、休職・復職を繰り返す人が多いようです。
そのため、リワークを通して長く働き続けるためのスキルを身につけ、再休職を防止します。 具体的には、心身の安定を身に付けるためのセルフケアの方法を学び、身につけます。
リワークへの取り組みのための3つのステップを順番に解説しましょう。
第1ステップ:生活リズムを整える 定期的にリワークを受けられる施設へ通うために、決まった時間に起きたり、身だしなみを整えたり、定時の電車で移動したりするための生活リズムを整えます。
無理のないように、最初は週2日など、少ない日数から始めて、次第に週6日などに増やしていきます。
第2ステップ:セルフケアを身につける 体調を壊し、休職に至った原因を分析し、復職後の対策を講じます。 専門のスタッフによる自己分析プログラムを受講し、セルフケアを身につけ、他の通所者とのディスカッションなどを通じて、ほかの利用者にも共有します。
自己分析プログラムでは、体調不調の原因を把握し、ストレスコーピング能力やセルフケア能力を高め、同じようなストレスが発生しても対処できるようにします。
第3ステップ:職場に近い環境で復職の準備をする オフィスで働くことを想定して、一定時間パソコンを操作して資料作成をするなど、職場に近い環境を設定し、訓練をすすめます。
一人で行うこともありますが、コミュニケーションを取ることに慣れるためにグループで共同作業を行うこともあります。
体に負担がかからないように、短い時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていくようにしましょう。 また、自己理解プログラムはパソコンに慣れる作業と並行して行うようにします。
リワークのプログラム内容はさまざまですが、代表的なものは以下です。
心理療法の一つで、物事の受け取り方の癖を把握して、考え方のバランスを整えていく療法です。
たとえば、どんな場面でストレスを感じやすいのかを知り、どうすれば落ち着くのかなどの対処法を身につけることで、同じような場面に遭遇しても、自己コントロールができるようにします。
生活管理とは睡眠時間や時間ごとの体調の変化を記録することです。 記録シートを見ると、客観的に体調の変化のパターンを把握することができます。
たとえば、集団ミーティングなどの後は疲れやすいので、休憩をはさむなどといった対策を設け、体調管理に活かします。
社会生活技能訓練とも言い、研修を受けたスタッフの指導のもと、困った場面をロールプレイで設定し、解決方法を身につける訓練を行います。
これまでのキャリアを振り返って、キャリアデザインを設定し直します。 その時、自分の能力と仕事や生活のバランスを考慮するようにしましょう。
レクリエーションを通じて、体力の向上をはかるとともに、ストレスを解消し、まわりの人とのコミュニケーションの能力を高めます。
医療機関、障害者職業センター、就労移行支援事業所などの場所でリワークを受けることができます。
精神科や心療内科など医療スタッフがいる機関で、医療行為の一環として行うものです。 自立支援医療制度を利用すれば自己負担を少なくすることができます。
都道府県ごとに設置されており、専門のカウンセラーを配しており、業務訓練を重点的にうけることが可能です。
民間企業の休職者が対象で、雇用保険に加入していれば無料で利用できます。 公務員の場合は利用できません。
就職を目指す障害のある方のための施設であり、就職・職場定着のノウハウを身につけることができます。
さまざまなプログラムやスタッフとの面談を通じて、職場復帰後も長く働き続けるためのサポートを受けることができます。
休職していた人が復職する時は、職場復帰を果たしても、無事に働き続けることができるのか悩んでしまいます。
復職後の環境変化への対応や、長く働き続けることができるのか不安でしょうがないという場合は、 リワークが利用できる主治医に相談したり、あるいは相談会などを利用したりするのがおすすめです。
とは言え、リワークを行っているかどうかは、自治体の判断や事業所によっても違ってきます。 気になる事業所があったらまずは問い合わせてみましょう。
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