2026.03.15
こんにちは。栃木県・群馬県の障がい者グループホーム「ファミリー」編集部です。
同じものばかり食べていたり、特定のものを食べると気分が悪くなったりする人を見たことはありませんか。「わがままなだけ」「我慢して食べれば慣れるはず」と思われがちですが、こういった人は「味覚過敏」を抱えているのかもしれません。
この記事では、味覚過敏とは何か、主な原因、セルフチェックリスト、そして家庭でできる対処法・向き合い方について詳しく解説していきます。
栃木県・群馬県の障がい者グループホーム ファミリー
目次
味覚過敏とは、味覚・視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの感覚が過敏に感じられる「感覚過敏」のひとつです。感覚過敏には、味覚過敏のほかにも視覚過敏・聴覚過敏・嗅覚過敏・触覚過敏があり、複数が重なって現れることもあれば、味覚過敏だけが単独で現れることもあります。
感覚過敏はあくまでも「症状」であり、それ自体が病名として確立されているわけではありません。そのため、決まった診断名や治療方法があるわけではなく、原因や向き合い方は一人ひとり異なります。
なお、コロナウイルス感染やその後遺症による味覚障害(味そのものが感じにくくなる状態)とは異なるものです。味覚過敏は、味を感じにくくなるのではなく、通常より強く・過敏に感じてしまうという点が特徴です。
味覚過敏で苦手に感じるものは人によってさまざまです。
このように、味覚過敏は「本来の味覚よりも強く・過敏に感じてしまう」状態を指します。単なる好き嫌いやわがままと誤解されて叱られたり、無理に食べさせられたりすることも多く、その結果、食事そのものが苦痛になり、偏食や拒食につながってしまうケースも少なくありません。
味覚過敏の原因は一つに特定できるものではなく、さまざまな背景が関係していると考えられています。
発達障害と味覚過敏の因果関係については、まだ十分に解明されていない部分も多く、確立した治療法があるわけではありません。そのため、後述するような日々の対処方法を通じて、少しずつ付き合い方を見つけていくことが中心になります。
味覚過敏については、誰しも多かれ少なかれ日常生活で気になる点があるかもしれません。以下のチェックリストで、当てはまる点がないか確認してみてください。いくつか当てはまる場合、味覚過敏の傾向がある可能性があります(診断を確定するものではありません)。
とくに発達障害のあるお子さんの場合、上記に加えて次のような様子が見られることがあります。
「わがまま」や「好き嫌い」と決めつける前に、感覚過敏の可能性も視野に入れてみましょう。
味覚過敏との向き合い方をいくつかご紹介します。ぜひ日常生活の中で取り入れてみてください
まずは病院で診てもらいましょう。問診では、症状がどれくらい続いているか、他の病気がないか、これまでの服薬状況などが確認されます。続いて、口の中や舌の検査、血液検査・尿検査(肝機能・腎機能・亜鉛不足など)、電気味覚検査やろ紙ディスク法による味覚検査(味覚の神経に異常がないかの確認)などが行われることがあります。心因性が疑われる場合は、心療内科での治療が検討されます。
無理にでも食べさせた方が本人のためだと考える方もいるかもしれませんが、本人にとっては食事そのものが苦痛になってしまいかねません。かえって偏食が悪化したり、食事そのものを拒否するようになったりするおそれがあります。食べさせるのではなく、本人が自主的に食べられるように誘導することが大切です。年齢を重ねる中で、食べられるものが少しずつ増えていくケースもあります。
食感や味付けが受け付けられない場合は、調理方法や食器を工夫してみましょう。栄養面が気になり食べさせたい場合は、食材の形がわからないように細かく刻んで混ぜ込むなどの工夫も一案です。金属製のスプーンに過敏に反応している場合は、木製やプラスチック製など、本人が気にならない素材に変えてみるのも効果的です。
味覚過敏がある人は、新しい刺激に対して不安を感じやすく、食わず嫌いになりがちです。初めての食べ物を出すときは、事前に材料や作り方、風味について説明し、本人が食事のイメージを持てるようにしておくと、受け入れやすくなります。
お皿に盛られた食事を見るだけで食欲をなくしてしまう人もいます。そうした場合、いきなり食べることを求めず、まずは「見ることができる」ようになることからスタートし、段階的にステップを上げていくとよいでしょう。
感覚過敏にはさまざまな種類があり、症状の程度も人によって大きく異なります。他の人にとっては気にならないようなわずかな刺激でも、本人にとっては大きな苦痛であることがあります。
味覚過敏は好き嫌いとの線引きが難しく、周囲から「わがまま」と思われたり、無理に食べさせられたりしてしまいがちです。そうすると、ますます食事が苦痛になり、偏食が進み、健康面への影響も心配になってきます。
無理に食べさせるのではなく、調理方法を工夫したり、本人が自分の意思で食べられるように促したりしながら、本人が感覚過敏を感じている場合は、一人で抱え込まず専門家や病院に相談することをおすすめします。原因や対処のしかたを知ることで、本人自身の改善にもつながりやすくなります。
Q. 味覚過敏の原因は何ですか?
A. 発達障害(自閉スペクトラム症など)でよく見られる特性のひとつであるほか、自律神経失調症やうつ病、PTSD、認知症や脳卒中による高次脳機能障害、亜鉛不足などの栄養面が関係していることもあります。原因は一つに特定できるものではありません。
Q. 「しょっぱい」と感じすぎるのも味覚過敏ですか?
A. はい、味覚過敏のひとつのあらわれ方です。味覚過敏では、しょっぱさや甘さ、辛さなどを他の人よりも強く・過剰に感じてしまうことがあります。
Q. 子供の味覚過敏はどう見分ければいいですか?
A. 特定の食感のものを口に入れた瞬間に吐き出す、見た目が変わっただけで食べなくなる、給食や外食など普段と違う場面で強く拒否するといった様子が見られる場合、味覚過敏の可能性があります。「わがまま」と決めつける前に、一度チェックリストで確認してみてください。
Q. 味覚過敏の治し方はありますか?
A. 確立された治療法はまだありませんが、無理に食べさせない、調理方法や食器を工夫する、新しい食べ物は事前に説明するといった対処法で、少しずつ付き合いやすくすることができます。気になる場合は医療機関にも相談してみましょう。