味覚過敏とは?主な症状や対処法、向き合い方 - 栃木県宇都宮市の障がい者自立支援・共同生活支援 | 障害者グループホーム ファミリー宇都宮

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味覚過敏とは?主な症状や対処法、向き合い方

味覚過敏とは?主な症状や対処法、向き合い方

2023.03.15

ある一定のものばかり食べていたり、特定のものを食べると吐きそうになったりする人を見たことはありませんか。
わがままな人だとか、がまんして食べれば治るだろうと思うこともあります。

しかし、こういった人は「味覚障害」かもしれません。

「味覚過敏」とは感覚障害の1種であり、感覚過敏とは、味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚などの諸感覚が過敏になっていて日常生活に支障をきたしている状態のことをいいます。
あくまでも症状であり、病名ではないので、診断名や確立した治療方法はありません。

例えば、電車の中で香水などの匂いで気分が悪くなる人もいますし、仕事中、他の人の電話の声が耳に入り、気になって仕事に集中できないなどさまざまなケースがあります。

感覚過敏は、味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚のうちのいくつかが重なって発症する場合もあれば、味覚過敏だけ、聴覚過敏だけが単独で発症する場合もあるようです。

感覚過敏は発達障害、特に自閉症スペクトラムの赤ちゃんや子供によく見られます。
あるいは自律神経失調症、うつ病、PTSなどの精神疾患、認知症、脳卒中、交通事故が原因の高次脳機能障害の人にも多いようです。

ここでは、味覚過敏の概要、チェックリスト、対処法・向き合い方などについて解説します。

味覚過敏は感覚過敏の一種

感覚過敏の1種
味覚過敏とは、味覚・視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの感覚が過敏に感じられる感覚障害の1種です。
従って、感覚過敏の種類には、・味覚過敏・視覚過敏・聴覚過敏・嗅覚過敏・触覚過敏があります。
昨今のコロナ感染やコロナ感染後の後遺症による味覚障害などとも異なるものです。

苦手なものはさまざま
味覚過敏は、食感や舌触り、味付けなど苦手なものはさまざまです。
触感過敏といって、粘り気があるものや歯切れの悪いもの、あるいは変わった食感や舌触りのものが苦手な場合もあります。
ゴムを噛んでいるような感覚がある人もいますし、とろみがあるもの、グチャグチャしたもの、パサパサしたものが苦手な人もいるようです。
口の中に触れる亜鉛などの金属製のスプーンやフォークなどが苦痛で、木製やプラスチック製のものに取り換えると治る人もいます。

味覚障害は本来の味覚に異常がある
また、味の濃いもの、油っこいものが苦手だったり、香辛料が「痛い」と感じたり、肉や魚が生々しかったり、味がしょっぱいと感じ過ぎたり、甘いと感じすぎたりすることもあります。
このように、味覚障害は本来より味覚に異常があるもののことを言います。

ただの好き嫌いやわがままと誤解されて、怒られたり無理やり食べさせられたりする人も多く、
そのうちに食事が苦痛となって、拒食症になってしまう人も多いようです。

味覚過敏(食感過敏)のチェックリスト

味覚過敏については、誰しも多かれ少なかれ日常生活で気になる点があるかもしれません。
簡単なチェックリストを作成しましたので、チェックしてみてください。
日常生活でいくつかあてはまる点があれば、味覚過敏の可能性があります。

No. 日常生活で気になる点 チェック
1 刺激のある食べ物(辛いもの酸っぱいもの)が痛い ある/ない
2 特定の食べ物しか食べられない ある/ない
3 特定の食感が苦手で食べられない ある/ない
4 特定の味を感じると気分が悪くなる/吐いてしまう ある/ない
5 他の人よりも濃く感じることが多い ある/ない
6 食器や調理方法、食感にこだわる ある/ない
7 新しい食べ物をなかなか受け付けられない ある/ない

味覚過敏(食感過敏)の対処法・向き合い方

味覚過敏の対応方法や向き合い方をいくつかご紹介しましょう。
是非日常生活の中で取り入れてみてください。

病院を受診する(原因を調べる)
まずは、病院で診てもらいましょう。

病院では、以下の点を問診します。
・味覚過敏がどれくらい続いているのかの確認
・病気がないかの確認
・これまでどんな服薬をしてきたのかの確認

続いて各種検査を行います。
・口の中や舌の検査
・血液検査・尿検査(肝機能や腎機能、亜鉛不足などをチェック)
・電気味覚検査やろ紙ディスク法による検査(味覚検査神経に異常があるかどうかをチェック)

なお、心因性が疑われるものは、心療内科で治療を行うことになります。
発達障害などの場合は、味覚過敏との因果関係がまだよくわかっていないため、治療方法が確立されておりません。
従って、毎日の対処方法によって改善していくことになります。

無理に食べさせない
無理のでも食べさせ他方が本人のためだと思う人もいるかもしれません。
しかし、本人にとっては食事が苦痛となってしまいかねないでしょう。
ますます偏食がひどくなったり、食事を拒否するようになったりするおそれがあります。

食事を苦痛と思わせない工夫をすることが大切です。
年をとるに従って、いろんなものが食べられるようになっていくケースもあります。
食べさせられるのではなく、自主的に食べることができるように誘導しましょう。

調理方法や食器を工夫する
食感が気になったり、今使用されている調味料の味が受け付けられなかったりする場合は、調理方法や食器類などを変えてみたり工夫したりする方法もあります。

栄養が気になるのでどうしても食べさせたい場合は、食材が見えないように細かく刻んでまぜたりするなど調理方法を工夫してみてはいかがでしょうか。

金属製のスプーンに過敏に反応している場合は、本人が気にならない食器類に取り替えてあげるのも効果的でしょう。

新しいものは説明する
味覚過敏の人は、新しい刺激にたいして不安を覚えがちで、不快感を避けるために食わず嫌いになることが多いようです。

初めてのものを食べさせるときは、食事の前に材料や作り方や風味について説明し、本人が食事のイメージを持つことができるようにしておくと食べやすくなるでしょう。

克服するなら「見る」ステップから
お皿に盛られた食事を見るだけで食欲をなくしてしまう人もいます。
こういった人は、一口食べさせるのも大変なことです。

そこで、苦手なものを克服するため、お皿に盛られている食事を見ることから始めてみてはいかがでしょうか。
食べなくてもいいので、まずは苦手なものを見ることができるというステップからスタートして段階的にステップを上げていくというわけです。

苦しみを抱え込まず、専門家に相談しましょう

いろんな種類の感覚過敏があり、症状の程度も人によって大きく異なります。
他の人にとっては気にならないようなわずかな刺激でも、本人にとってはこの上ない苦痛であるかもしれません。

味覚過敏の症状は好き嫌いと違い、線引きがむずかしいので、わがままだと思ったり、無理に食べさせようとしたりしてしまいがちです。
そうすると、ますます食事が苦痛になり、偏食が進み、ますます不健康な状態になってしまいます。

無理やり食べさせるのではなく、料理のし方を教えてあげたり、調理方法を工夫したりして、本人が自分の意思で食べるようになるよう工夫しましょう。

そして、本人が感覚過敏を感じている場合は、一人で悩まずに専門家や病院で相談することをおすすめします。
原因や対処の仕方を知ることで、みずからの改善もしやすくなるのではないでしょうか。

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