2024.01.20
こんにちは。栃木県・群馬県の障害者グループホーム「ファミリー」編集部です。
若い女性を中心に、摂食障害を持つ人は年々増加しています。
摂食障害とは、食欲の異常が続くことで、心と体の両方に影響を与える病気のことです。 摂食障害は、「拒食症」と「過食症」の2つのタイプに分けることができます。
拒食症の場合、体重が増えることへの強い恐怖感があり、極端な食事制限をしますし、過剰に食事を摂取して食後に吐き出すこともあるようです。
過食症の場合は、逆に食欲を抑えることができず、衝動的にたくさんの食べ物を食べてしまいます。
摂取障害は体や精神をむしばみ、その結果、日常生活を困難にしてしまいます。
摂食障害の症状や改善方法、向き合い方などについて考えてみましょう。
目次
摂食障害の症状はさまざまです。
拒食症の場合は必要な量の食事を食べられないというもので、食べた物を意図的に吐いてしまうこともあります。
過食症の場合は、逆に自分でコントロールできずに食べ過ぎてしまいます。 摂食障害患者は日本では、年間21万人いるとされていますが、多く見られるのは10代から20代の若い女性です。 しかし、性別・年齢、あるいは社会・文化に関係なく発症します。
摂食障害は心や体の発達をさまたげ、人との関係や、日常生活や、学校、職場などの社会生活に深刻な影響をあたえてしまいます。
摂食障害の共通する精神症状は、自分に自信がない、もしくは過度に自信がある、無気力、抑うつ状態になる、周囲から孤立しているなどです。
また、身体症状としては、拒食症の場合、貧血、濃いうぶ毛、脱毛、低体温、無月経、寒がり、味覚障害、むくみ、けいれん、皮膚の乾燥、骨粗鬆症などがあります。
過食症の場合は、体形は標準から肥満が多く、吐きダコ、胃けいれん、口内炎、虫歯、食道裂孔などが見られるのが特徴です。
摂食障害の兆候はどこからかやってきます。 拒食症の場合の兆候を見てみましょう。
・体重・体形が気になる ・太るのが怖い ・食事の量を極端に減らすことがある ・がまんできずに、いっぺんに大量に食べてしまうことがある ・大量に食べた後に吐いてしまうことがある ・食事を抜くことがある ・やせているのに過剰に運動をする ・まわりの人からはやせているといわれても自分では思わないが、 ・カロリーや体重のことが気になってしかたない ・生理がこなかったり不順になったりする ・手足の冷えがある ・やせていると言われても、太っていると思いこんでいる ・まったく食べていないのに「腹がへっていない」と言う ・一日に何度も体重計に乗る ・炭水化物・脂質・糖分が多い食品を食べない ・低カロリー食品を好む ・食べ物をゴミ箱やトイレに捨てる
上記の兆候に気がついたら、影響が少ないうちに、専門家に相談して治療を受けるようにしましょう。
摂食障害は、心の問題や対人関係の悩みが原因となることが多く、自傷行為やうつ症状が伴う場合もあります。
摂食障害かなと思ったら、精神科や心療内科で治療を受けましょう。
精神科に診てもらうことに抵抗がある場合や、摂食障害かどうかわからないという場合は、内科やかかりつけ医に相談して、治療できる病院を紹介してもらうことも可能です。 無月経などの症状がある女性の場合は、婦人科に相談するのもいいでしょう。
または、地域の保健所や精神保健福祉センターに相談すれば、摂食障害が専門の病院を紹介してもらえます。 あるいは、治療や回復支援といった専門的な相談は、摂食障害治療センターでも可能です。
専門医や周囲の人と信頼関係、協力関係をつくる 摂食障害の治療には、専門医や周囲の人と信頼関係、協力関係をつくることが必要です。 周囲の人に摂食障害という病気の理解を求め、協力が得られなければなりません。
まずは、父親や母親といった家族に摂食障害の説明をして、回復への動機づけをし、治療を進めやすくすることからはじめましょう。
自分の状態を理解し受け入れる 摂食障害の人は、自分が病気だと認めることは難しいものです。 自分が悪い・恥ずかしいといった思いから、さまざまな問題を1人で抱え込んでしまいます。
摂食障害の自分を責めずに、今の自分の状態をまずは理解し、受け入れることが大切です。 摂食障害を治癒するためには、自分一人で克服するのではなく、まわりの助けが必要であることを意識しましょう。
食事・栄養指導・合併症の治療を行う 食事や栄養指導を受け、正常な食習慣を身につけましょう。 さらに合併症があればその対処・治療を行います。
低体重の場合は、体重を回復させるのが先決です。 規則的に3食を摂り、少しずつ食べる量を増やしていくなど、適切な食べ方や栄養の指導を受けましょう。
食習慣や心の状態の見直し 正常な食習慣の指導や、心理療法を取り入れて心の状態を見直します。 他の精神疾患も併発している場合はその対処や治療も行いましょう。
なお、著しい低体重・他の精神疾患との合併症・全く食べようとしない・精神不安定などの状態になると、外来治療では回復が難しいので入院が必要です。
心理療法 体重や栄養状態が回復してきたら、認知行動療法という心理療法を併用し、自己評価のまちがいや体重に対するかたよった考えを修正し、ストレスを解消します。 対人関係がストレスの原因である場合は、対人関係療法を用いることもあるようです。
心理療法には、一般的な支持的精神療法と、摂食障害専門の認知行動療法とがあります。
薬物療法 摂食障害自体に有効な薬はありませんが、拒食症の二次障害である不安や不眠、抑うつ、強迫観念などに対して、向精神薬やどの薬物を使用することもあります。
好きなことや趣味を見つける 好きなことや趣味を見つけ、無理のない範囲で、社交的な場で活動に打ち込んでみましょう。 こうした活動を通じて自分に自信がついてくると、痩せることへのこだわりも消えていきます。
異常な食事を摂りたがる行動の原因は、ストレスや対人関係の悩みなどが考えられます。 摂取障害を放っておくと、症状がますます進み、最後は命に関わることさえあるかもしれません。
1人で抱え込まずに、家族に相談したり、専門医の支援をあおいだりしましょう。 摂食障害は、適切な治療を行えば必ず回復できます。 摂食障害ではないかと思ったら、まずは病院を受診することです。
摂食障害は一進一退を繰り返しながらも次第に改善されることが多いため、治療には時間がかかります。 人によっては、2~3カ月で治癒されることもありますし、数年かかる場合もあるかもしれません。
医師などの専門医や周囲の人と信頼関係、協力関係をつくるとともに、自分の状態を理解し、受け入れることで、自分らしくふるまうことができるようにしたいものです。
あせらず、あきらめず、じっくりと摂食障害と向かい合っていきましょう。
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