発達障害のグレーゾーンとは|特徴と対策、向き合い方 - 栃木県宇都宮市の障がい者自立支援・共同生活支援 | 障害者グループホーム ファミリー宇都宮

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発達障害のグレーゾーンとは|特徴と対策、向き合い方

発達障害のグレーゾーンとは|特徴と対策、向き合い方

2023.02.15

「発達障害グレーゾーン」とは、発達障害と同じ症状があるのに発達障害との診断を受けていない人々のことをいいます。
病名ではなく、発達障害の傾向を持つ人のことを意味する言葉です。

発達障害の場合は、「精神障害者保健福祉手帳」という障害者手帳を持つことによる社会的な福祉サービスを受給することができます。

しかし、グレーゾーンの場合は、障害者手帳を持っていないため、福祉的な支援を受けることができません。

発達障害のグレーゾーンの人が必要な支援を受けることができるためには、いったいどうすればいいのでしょうか。

発達障害とは

そもそも、発達障害とは、生まれつき脳の働きの違いにより、幼児の頃から行動や情緒に特徴がある症状です。
そのため、子供の頃から本人が生きづらさを感じていたり、大人の養育者が育児の悩みを抱えたりします。

発達障害には以下のものがあります。
それぞれの症状が別々に現れることもありますし、複合されたものもあるようです。

自閉スペクトラム症(ASD)
言葉や視線、表情、身振りなどで自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりといったコミュニケーションが苦手です。
また、敏感な感覚を持ち、特定のことにこだわりがあったり、強い関心をもっていたりします。

注意欠陥・多動症(ADHD)
特徴としては、発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない、注意が持続しにくい、作業にミスが多いことなどです。

学習障害(限局性学習症、LD)
幼稚園などで読み、書き、計算など特定の学習が苦手ですが、全般的な知的発達には問題がありません。

グレーゾーンは発達障害の傾向があること

発達障害のグレーゾーンとはどのような人のことをいうのでしょうか。
また、発達障害と診断されないのはどうしてでしょうか。

障害者手帳の取得ができない
発達障害であると診断を受けた人は、「精神障害者保健福祉手帳」という障害者手帳をもらうことが可能です。
障害者手帳をもつことで、さまざまな公的支援を受けることができます。

しかし、発達障害であると診断されていないグレーゾーンにある人は、障害者手帳をもらえないので公的な支援も受けることもできません。

症状が軽い人ということではない
症状が軽いという意味でグレーゾーンという言葉が使われているのではありません。
いくつかある発達障害の診断基準に達していないということです。

発達障害と診断されない理由
では、発達障害の傾向があるのに発達障害と診断されないのはどういう理由があるのでしょうか。

1.体調が良い時に受診した
たまたまその日の体調がよかったため、発達障害と診断されなかったということもあるでしょう。
その時の体調次第で症状も変わってくることもよくあります。

2.情報不足
幼児の頃からその症状が存在していたかということも、発達障害の診断基準となります。
幼児の頃の記憶がないため当時の状態がわからず、今は発達障害の診断基準を満たしているのに発達障害と診断されないこともあるようです。

3.医師の主観による診断
問診による診断のため、医師の主観による判断が大きく、医師によって異なる診断結果となってしまいます。

発達障害かも?と思ったら取るべき行動

日常生活の中で、自分はもしかして発達障害ではないかと思うことがあるかもしれません。
自分が発達障害ではないかと思ったら、どういった行動をとるべきなのでしょうか。

まずは病院で診断を
検査による客観的な診断を受けることを、まずはおすすめします。
医師の問診は、どうしても主観的なものになりますので、数字やデータなどを用いた客観的な証拠による診断が行われなければなりません。

検査には以下の2つがあります。

1.QEEG検査(定量的脳波検査)
これまでの脳波検査をさらに詳細に解析した、発達障害の客観的な診断の指標となる検査です。
脳波の動きを画像にすることで、脳の各部位が正しく働いているのかを診断します。

2.知能検査(WAIS‐Ⅳ、WISC‐Ⅳ)
WAIS‐ⅣやWISC‐Ⅳといった知能検査によって総合的なIQを測るものです。
さらに、多角的な知的能力を計測することも可能です。
言語理解(VCI)、ワーキングメモリー(WRI)、知覚推理(PRI)、処理速度(PSI)の4項目について採点され、合計点で総合IQが算定されます。

諦めずに相談を
先に述べましたように、発達障害グレーゾーンにある人が、たまたま診断を受けた日の体調がよく、基準点に達しなかったので、発達障害と診断されなかったというケースもあります。
諦めずに何度も医師に相談することです。

日々の生きづらさから、発達障害のグレーゾーンにある人は、うつ病や双極性障害・不安障害などの二次障害をひき起こしてしまうこともあります。

しかし、そういった場合は、発達障害ではなく、うつ病や双極性障害であるとの診断を受けて、障害者手帳を取得することも可能でしょう。
二次障害の症状もあわせて医師の診断を受けることをおすすめします。

診断名がついていなくても利用できるサービスがある
発達障害のグレーゾーンの場合でも、ハローワークや地域障害者職業センターなどでは仕事の相談が可能です。

そのほか、以下の施設のサービスも利用できますのでチェックしておきましょう。

1.発達障害者支援センター
発達障害の人への総合的な支援を行っており、発達障害と診断されてなくても利用が可能です。

2.若者サポートステーション
15歳~49歳までの仕事が困難な人を対象としており、障害の有無を問わず就職するためのコミュニケーション訓練などを行うことができます。

3.障害者就業・生活支援センター
障害者の生活や仕事に関する支援を行っており、相談自体は診断や手帳がなくても可能です。

診断や障害者手帳がなくても相談できる場所がある

発達障害と同様、発達障害のグレーゾーンの人も、日々、生きづらさを感じて生活しています。

しかし、日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することによって、日常生活の困難を克服することは可能です。

先に説明しましたように、発達障害のグレーゾーンの診断や障害者手帳がなくてもハローワークや地域障害者職業センター、発達障害者支援センターなど仕事の相談ができる場所もあります。

さらに、発達障害のグレーゾーンに向いている職業もあります。

たとえば、自閉スペクトラム症のグレーゾーンなら、興味があることにはとことん追求する傾向があるので、エンジニア、デザイナー、研究者、校正・校閲などが向いているでしょう。

また、注意欠如・多動症(ADHD)のグレーゾーンなら、アイデアが豊富で好奇心が強い傾向があり、行動力もあるので、デザイナー、広告やゲームのプランナーなどの仕事が向いているのではないでしょうか。

相談できる場所を活用することによって、自分のグレーゾーンに向いている仕事を早く見つけて、楽しい日常生活がおくれるようにしましょう。

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