アダルトチルドレン(AC)とは?原因や主な症状、回復に向けた取り組みについて - 栃木県宇都宮市の障がい者自立支援・共同生活支援 | 障害者グループホーム ファミリー宇都宮

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アダルトチルドレン(AC)とは?原因や主な症状、回復に向けた取り組みについて

アダルトチルドレン(AC)とは?原因や主な症状、回復に向けた取り組みについて

2022.01.13

アダルトチルドレンという言葉を聞いたことがあると思います。子供のような大人、あるいは大人のような子供ということでしょうか。もしくはもっと違った意味があるのかも知れません。精神的な症状のような感じもしますが、はっきり説明できる人は少ないのではないでしょうか。

アダルトチルドレンの定義とは何でしょうか。なぜ症状するのでしょう。そして回復するためにはどうすればいいのでしょうか。

アダルトチルドレン(AC)とは?概要と原因

アダルトチルドレンとは幼少の頃に両親から受けたトラウマを残したまま大人になった人のことです。省略して「AC」と言う場合もあります。よく似た言葉としてインナーチャイルドがあります。こちらは幼少の頃の思考パターンが大人になっても続いている人のことです。

トラウマの例としてはアルコール依存症やギャンブル依存症、薬物依存症、虐待、育児放棄、あるいは極端な過保護などがあります。自分のことを否定的に考える傾向があり、依存心が強く、精神疾患にかかりやすい傾向があります。

アダルトチルドレンの共通的な特徴をチェックしてみましょう。

何をやっても楽しくないといううつ状態が続き、親密な人間関係を築けません。また、相手に依存してどんな手段を使ってでも相手から離れられないようにします。被害妄想が激しくて、その結果攻撃的な言動をとりがちです。他人から認められたいという欲求があって、そのため軌道を外れたことを行います。感情の起伏が激しく、自分でも制止できません。恋人に対して依存性の強い態度を示します。

極端に自責的で、罪悪感を覚えることが多く、自罰的かつ自虐的です。ひきこもりがちであり、自傷行為を行うことがあります。どの症状も、自尊心の低さが起因しているようです。自分の価値を自分で見つけることができず、自分以外のものとの繋がりを認識しなければなりません。従って他人への依存性が高くなるのです。

アダルトチルドレンの主な症状・日常生活への影響

仕事のうえでは、アダルトチルドレンと診断された人は、「人に嫌われたくない」という考えが強いので、組織の中で働くことがつらくなる人も多いです。そういった人に向いている仕事としてはフリーランスの仕事や、コツコツと行う技術系の仕事があります。

恋愛ではどうでしょうか。

アダルトチルドレンの人は、親に見放されてしまうのではないかという不安感があります。「自分というものを認めてくれる人」に対しても同様に不安感を覚えます。特に恋愛面では、相手にも強い愛情を要求し、相手から嫌われたくないため自己犠牲を払ってまで献身的につくすことがあるようです。また、恋愛を自分の価値の試金石にする傾向があります。

さらに、精神的に相手に依存しやすくなるため、相手に合わせすぎて苦しくなったりします。
冷静になって、相手と自分を見つめ直してみることも大切です。

 

子育ての面ではどうでしょうか。

アダルトチルドレンの人は自分の子どもに自分の価値を見出そうとします。子どもから反抗を受けたり関心を持たれなくなったりすることに恐怖心を感じがちです。そのため自分のもとから離さないようにすることもあります。

アダルトチルドレンの人は自分の親がやっていたことを手本だと考えがちです。きびしく当たられたことを思い出して、これがしつけだと考えます。愛情のそそぎ方や褒め方がうまくできないため、子どもに心を開かれることができません。そうかと思うと子どもを極端に干渉したりします。

子育てが上手にできないため、自分を責めることも多いようです。1人で悩んでいないで、まわりの人に相談したり吐き出したりするのがよいでしょう。

アダルトチルドレンの回復に向けたアプローチ

アダルトチルドレンと診断された人はカウンセラーと話をすることによって回復を図ります。以下アダルトチルドレン回復に向けたアプローチとしての4つのステップをご説明します。


第1ステップ:グリーフワーク(過去を探る)

グリーフの意味は悲嘆です。これは、死別、離婚、引っ越し、失業といった大切なこと失ったときに発生する身体的かつ精神的な変化によるものです。大切なものを失う経験は誰しも起こりうることですが、その喪失を一定の手続きを経て受け入れます。

グリーフワークでは、過去を探るために家族には言えないことを信用のある相手に対して、もしくは1人で口に出してみたりします。また、送られることのない手紙を親宛に書いてみたりし、最初から存在しなかったものや失われたものに対する嘆きを記すのです。

アダルトチルドレンは少々の頃に深く傷ついた経験があるのに、その自覚がないまま大人になっていることという人が多いようです。のびのびと育つ幼少時代や、本来の自分の姿を見失っています。嘆きを顕在化することで自分が傷ついていたことを認識し、本来の自分を見つけることができるでしょう。

 

第2ステップ:ナラティブセラピー(過去と現在をつなげる)

自分の育ってきた歴史を物語にして過去と現在をつなげて治療者に伝えます。そうして治療者からの助言を受けながら自分の歴史を再構築するのです。自分の歴史を新しく作ることによって、従来とは違った自分を見つけることができるでしょう。そうして自分本来の個性や力がよみがえってくるのです。

 

第3ステップ:認知行動療法

物事の受け止め方や考え方を変えようとする精神療法が認知行動療法です。自分のこれまでの信念を変革するために認知行動療法を行います。これまでの一定の癖がついた感情・気分・行動といったものを変えていきます。

 

第4ステップ:アサーティブなコミュニケーション(生きていくうえでの新しいスキルを学ぶ)

アサーティブなコミュニケーションとは、相手の権利や要求を尊重しつつ、自分の意見や要求を相手に受け入れてもらう手法です。アダルトチルドレンの人は自己表現が苦手な人が多いのでその直しかたとして有効でしょう。

こうしたカウンセリングによるもの以外にもアダルトチルドレンの治療方法はあります。

 

薬物療法

アダルトチルドレンはさまざまな精神症状を発症します。抑うつや不安、衝動的行動、軽躁、解離、強迫、対人緊張、パニック、食欲低下、過食、拒食、不眠などです。このような症状には薬物療法による効果は高くなっています。症状を和らげることができるだけでもかなり楽になります。

とは言っても、薬物療法は苦痛を緩和する補助的なものです。心理的な苦痛や生き方の難しさは薬物療法だけで根本的に治癒するのは困難なようです。

 

自助グループ

お互いのことを話したり、勉強会やイベントを行ったりします。そうした中でアダルトチルドレンが自分の役割を自覚し、お互いに支え合うためのグループと言えます。継続してグループに所属することによって、いろんな人の体験談を聞くことができます。そうして自身のアダルトチルドレン的な言動も抑えられるのです。

自分がアダルトチルドレンかも?と思ったら専門機関に相談

アダルトチルドレンはそのままにしてくとなんらかの疾患につながることもあります。またそもそもの原因が精神疾患や発達障害などである可能性もあるでしょう。対人関係や心身の不調に悩むことが多くて、アダルトチルドレンではないかと感じることもあるかも知れません。

しかし、そんな時は一人で悩む必要はありません。生きづらさを少なくする方法は見つかるものです。専門家に相談して、病院などで効果的な治療を受けたり、適切なサポートを受けたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

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