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境界性パーソナリティ障害とは?原因や対処法についてご紹介

境界性パーソナリティ障害とは?原因や対処法についてご紹介

2021.06.24

人間は前向き・陽気・几帳面・怒りっぽい・神経質・おおらか・飽きっぽいなどいろんな性格があります。そういった性格を持つ人々の中には「人格障害」と呼ばれる人たちがいますね。性格の一部分が極端に偏っていて、毎日の生活の中で自分も他人も苦しませてしまうような人のことです。そして、人格障害の一つとして「境界性パーソナリティ障害」というものがあります。これはいったいどのような精神疾患なのでしょうか。ここでは、境界パーソナリティ障害とは何か、その原因や対処法について詳しく説明していくこととします。

境界性パーソナリティ障害とは?

「境界性パーソナリティ障害」とは何ですか。それは「人格障害」の人のうちものごとを良い・悪いの両極端に判定したり、イライラが強く抑えきれなくなったりといった気分の波が激しく感情が極めて不安定な人のことを言います。境界性パーソナリティ障害は人口の約2%に見られ、若い女性に多いのが特徴といわれているのです。

「境界性」とは、「神経症」と「統合失調症」の二つの心の病気の境界にある症状という意味になります。神経症の症状は「強いイライラ感」で、統合失調症の症状は「現実が冷静に認識できない」というものです。しかし、患者自身は自覚なしという場合が多く、気持ちや行動、対人関係が不安定になりやすく、通常の生活やビジネスシーンにおいて大変な苦悩や不都合を生じるものでしょう。

「境界性パーソナリティ障害」の人は痛いほど相手の考えていることを感じ取ることができるため、相手のために必要以上に頑張る時もあれば、思いやりを見せることもあります。しかし、相手が自分を見捨てて離れていくとか、自分を大切にしてくれなくなったとかと思うと、突然抑えることができない不安や怒りが襲ってくるのです。後々冷静になって、どうしてあんなことをやってしまったのかと自責の念にかられ、辛い気持ちにおちいってしまいます。そうしていろんなことに影響がでてくるのです。

こういった人が不安定になりやすいとされている点は下記の5つになります。

1.対人関係

見捨てられ不安
ほんの数回会っただけの人や恋人になる可能性のある人を極端に理想化したり、想像上の結婚生活や恋愛を思いえがいたりします。そして、もはや結婚できないとか恋人から見捨てられるとかいったことを敏感に感じとって、必死にそのような状態になることを回避しようとするのです。

2.自己像

自分に対する評価が極端になりがちです。自分のことを強く否定して自己嫌悪にひたったり、離人症のように自分というものが実態のないものだと感じたりします。自分の目標とするものや趣味や意見、恋愛傾向、仕事、友達や恋人や好きな芸能人のタイプといったものが突然変化することがあるのです。

3.衝動のコントロール

浪費壁があったり、万引きをしたり、過食症になったり、ギャンブルにのめりこんだり、危険運転をおこなったりといった行動を衝動的にとることがあります。また、アルコールや薬物、危険な恋愛に依存するといった傾向も見られるのです。リストカットなどの自傷行為をしたり、自殺に見せかけたり、脅しを繰り返したりするといった傾向も見られます。

4.感情

他人が自分を理解してくれなくなったり、冷たくなったりすることを感じて、抑えることができない強い怒りがこみあげてきます。また、自分が空っぽで何かが欠けているという空虚感を長く抱く人もいるのです。

5.認知

現実離れした考えが沸きおこってきたり、現実と空想の区別がつかなくなったりすることがあります。激しいストレスを感じている時に起きるもので、他人から見捨てられることへの不安感から一時的に発生する現象のようです。

境界性パーソナリティ障害を発症する主な原因

人によっても、家庭や生活環境によっても違ってきますが、発症する原因としてはまずは先天的な要素があります。脳が脆弱であったり、幼少のときから不安を感じやすかったり、発達障害などで精神が弱かったり、集団生活になじめなかったりというものです。そして「遺伝」も要因の一つで、もともと境界性パーソナリティ障害になりやすい傾向をもって生まれてくる人もいます。

さらに 「環境」も要因の一つでしょう。子どもが大きくなっても、母親離れや子離れがうまくできず、家族どうしで依存し合っている状態にある人や、親が子供をほめることはなく欠点ばかり指摘して否定し続け、子どもが親の言われるままに優等生でまじめな人物に育ってしまったような場合ですね。こうして本人の自己否定感が強くなり、自分の価値観を持たない人も発症しやすいのです。

このように、もともと遺伝的な要因をかかえた人が、さらに環境要因もくわわって境界性パーソナリティ障害を引き起こすという例が多いようですね。そのほかにも、友人や恋人から無視されたり、言葉の暴力を受けたりしたことによるトラウマやフラッシュバックによるものや、理想から遠く離れた自分を見つけてそのショックが境界性パーソナリティ障害をひき起こすケースもあります。

いずれにしても基本的には原因不明とされていますので、さまざまな要因が合わさった結果、境界性パーソナリティ障害になってしまったということも考えられるでしょう。メンタルに問題をかかえているため、イジメや、予期せぬ衝撃を受たりして障害が悪化してしまうこともあるのです。

境界性パーソナリティ障害の治療法

境界性パーソナリティ障害の主な治療法は2つあります。1つは抗うつ剤や抗不安薬などの薬を用いる方法です。この方法は強い不安感や気持ちの落ち込み、怒りの感情がある、冷静でいられないといった症状に効果があります。もう1つは精神科医や臨床心理士によるカウンセリングや行動療法です。これは、根気よく治療を行う必要があります。

境界性パーソナリティ障害の特徴である対人関係の不安定さは、医師や心理士に対しても同様です。そこで医師や心理士を信頼させて、症状を自覚させることが必要になります。「治りたい・治したい」気持ちを忘れずに粘り強く治療に取り組むこととしましょう。治療期間も人によっては長期にわたることもあります。治療中は過去のつらい出来事や考えたくもないことにもしっかりと向き合う必要があるのです。

境界性パーソナリティ障害の方との関わり方

境界性パーソナリティ障害をもつ人はいつも不安や恐怖を感じています。家族や友達など周りの人は彼らを変えようとするのではなく、まずは頭から彼らを否定せず受け入れて理解してあげることが大切です。自分の周りにいる人をさんざん振り回し、疲弊させて、結果的に自分から遠ざけてしまうような行動を繰り返すのも周りの人に対する試し行動なのでしょう。彼らがなぜそのような言動を起こすのか、冷静に見つめなおしているうちに解決策が見つかることもあります。本人の回復も促進され、周囲の負担も少なくなるのです。

とは言え、自分に無理のない範囲にとどめておくようにしましょう。時には物理的に距離を置く接し方も知恵袋の一つとして必要です。彼らを受け入れようとするあまり、振り回されたり、看護に疲れ切ってしまったりすることのないように必要以上に彼らの要望に応えることは控えます。一人で抱え込まず専門家などに相談することも必要でしょう。

「生きづらさ」を感じている方は、一度専門医に相談しましょう

境界性パーソナリティ障害をもつ人はいつも不安や恐怖を感じています。たとえばビジネスシーンでトラブルが絶えないなどの理由で職場を何度も変わるケースが多々みられるようです。このような苦痛を感じながら生きていくことは本人にとっても周囲の人にとってもとても悲しいことですね。境界性パーソナリティ障害の自覚症状があって、人間関係などで「生きづらさ」を感じている人は、診断テストをし、是非一度専門医などにご相談してみましょう。

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