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認知症ケア専門士とは?仕事内容・資格の取得方法を解説

認知症ケア専門士とは?仕事内容・資格の取得方法を解説

2022.04.11

介護の資格に関しては、介護福祉士という国家資格がありますが、民間資格でも認知症ケア専門士という資格もあります。この資格を取得することで、介護に関するキルをアップし、転職の際も有利にすすめたいと思う人もいることでしょう。

認知症ケア専門士の資格は、他の介護関係の資格とはどのような違いがあるのでしょうか。また、認知症ケア専門士の資格を持つことのメリットにはどのような点があるのでしょう。さらに、資格を取得するためにはどのような勉強をすればいいのでしょうか。合格率も気になるところですね。

この記事で、認知症ケア専門士につい詳しく解説することとしましょう。

認知症ケア専門士とは?

「認知症ケア専門士」は、財団法人日本認知症ケア学会が主催する、2005年に誕生したばかりのまだ新しい民間資格です。この資格を持つと、認知症ケアへの高い学識とともに、倫理観のある深い技術を持つことが証明されます。

介護現場に限らず医療現場でも認知症ケアに関する知識や技術を現場の仲間に伝えることが可能です。そのため、介護職員に限らず、看護師や医師などすでに医療系の資格のある人でも、認知症ケア専門士の資格を取得する人が増えてきています。

認知症ケア専門士の主な仕事内容

では、実際に認知症ケア専門士は、どのような職場で活躍しているのでしょうか。 

2017年9月現在、日本の認知症ケア専門士の数は32,591人です。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設などの介護保険施設やグループホーム、有料老人ホームなどの介護の現場、あるいは医療の現場で認知症ケアのプロとして活躍している人が多いようです。2022年の今日もその数は増えてきています。

このような介護現場で、認知症ケア専門士は重要な役職をまかされ、現場のスタッフが認知症の人への対応に行き詰まった時に、より良いケアの方法を考え実践したり、職員へアドバイスしたりするのです。 

内閣府が発表した2017年の年版高齢社会白書によると、65歳以上の認知症高齢者数は2060年に850万人になることが予想されています。つまり、2015年は517万人なので、その1.6倍になると想定されているのです。

認知症ケア専門士は、高齢化が進むことに伴い、認知症高齢者が増えてくることによってその注目度もますます高まってきています。

認知症ケア専門士になるには?資格の取得条件について

認知症ケア専門士認定試験では、第1次、第2次試験ごとに申込みが必要です。そのため、それぞれの申込期間内に必要書類を提出しなければなりません。

第1次試験は3月~4月頃が申込期間で、受験料は1科目が3,000円で4分野あるので、12,000円になります。

第2次試験は8月~9月頃が申込期間のなり、受験料は8,000円です。

受験資格としては、受験年の3月31日から10年間の間に3年間の実務経験があることが必要です。

実務経験を得るための職場である認知症ケア関連機関や団体は、認知症ケアに携わるものであれば、職種や職務内容は問われません。認知症専門の介護施設や病院でなくても受験資格が得られます。とは言え、ボランティアや実習を行った期間は対象外となります。

資格取得までの流れは以下のとおりです。

1.受験資格として、過去10年間に3年間の実務経験を取得。
2.実務経験証明書と願書を提出。
3.1次試験の受験。(7月あたり)

この時、受験会場は札幌,仙台,東京,名古屋,京都,福岡から選択となります。


➃ 1次試験合格発表。(8月中旬あたり)

試験の結果は自宅に郵送されます。


⑤ 2次試験の申請。(8月~9月あたり)

1次試験に合格した場合は、2次試験論述問題の論述と2次試験の申請書を提出します。


⑥ 2次試験面接。(11月~12月あたり)


⑦ 合格発表。(1月下旬あたり)

合格者は、自宅に郵送されるか、インターネットによって周知されます。


⑧ 登録申請。


⑨ 資格の取得。


試験の内容

認知症ケア専門士の試験は第1次試験と第2次試験とがあります。


第1次試験

マークシート方式で、以下の4分野から各50問出題されます。

・認知症ケアの基礎

・認知症ケアの実際Ⅰ

・認知症ケアの実際Ⅱ

・認知症ケアにおける社会資源

各分野70%以上の正答率で合格です。2次認験に進むためには、4分野すべて70%以上正解しなければなりません。合格有効期限は各分野5年間で、有効期限内なら合格済の分野の試験は不要です。


第2次試験

論述試験と面接とがあります。論述試験は事例問題が出題され、回答用紙に論述を記載して、期間内に郵送します。

面接試験はスピーチが1分間、グループディスカッションが20分間です。

第2次試験の論述試験の評価ポイントは以下となります。

・適切なアセスメント視点を持つこと

・認知症の理解があること

・適切な介護計画を策定できること

・制度や社会資源の理解があること

・認知症患者の倫理的課題の理解があること

認知症ケア専門士の試験の合格率は50%程度と言われています。合格したら、登録申請を行います。登録後は、5年毎に更新が必要です。日本認知症ケア学会、または学会が認定する団体主催の講座を受講し、5年間で30単位以上の取得が更新の条件となります。

更新手続きを行わなければ資格は消滅してしまいますので注意が必要です。期間内に1万円の更新料を納めなければなりません。また、申請書には、半年以内の証明写真の添付が必要です。更新の手続きはなるべく早めに行うことがおすすめです。

認知症ケア上級専門士になると資格更新は不要となりますが、認知症ケア専門士としての資格更新は必要です。こちらも更新手続きがなければ、上級専門士の資格は消滅します。

認知症ケア専門士は認知症の方の生活を支える大切な存在です

認知症ケア専門士という資格は、認知症の人の生活を支える最も実用性のある認知症関係の資格です。これからの社会は、さらに高齢化が進むことによって、認知症の人と関ることは避けて通ることができません。認知症ケア専門士の需要は今後ますます大きくなっていく一方でしょう。

認知症ケア専門士の試験に合格するためには、テキストや過去問をこなすなどたくさんの勉強量が必要で、しかも、試験期間が5カ月もかかるため大変な労力を費やします。とは言え、それだけたくさんの知識や実践的なスキルも身に付くわけです。

さらに、認知症ケア上級専門士の資格を取得すれば、介護職場のリーダーとしてキャリアアップすることができますし、その分給料も増え諸手当も加算されます。

医療や介護・福祉の分野での活躍を希望する人はぜひ認知症ケア専門士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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