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精神障害者保健福祉手帳とは?メリットや申請方法を解説

精神障害者保健福祉手帳とは?メリットや申請方法を解説

2021.05.05

身体障害者向けに障害者手帳がありますが、精神障害者向けに「精神障害者保健福祉手帳」があるのをご存じでしょうか。この手帳はどのような種類があり、どのような役割があるのでしょう。この手帳を持っていると一体どんなメリットがあり、逆に持つことでデメリットになることはないのでしょうか。また、どうすればこの手帳は取得できるのかでしょう。ここでは、精神障害者保険福祉手帳について詳しく見ていくこととします。

精神障害者保健福祉手帳とは?

精神障害者保険福祉手帳は別名「精神障害者手帳」といい、毎日の暮らしや社会活動への制約がある精神障害者向けのものです。対象となる具体的な疾病名は、統合失調症・うつ病・そううつ病といった気分障害、薬物やアルコール・てんかんによる中毒精神病、高次脳機能障害、自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障害といった発達障害、認知症となっています。

精神障害者保険福祉手帳では等級は障害の程度により1~3級までです。なお、障害年金の一級、二級、三級とは一致しませんので注意しましょう。

1級:日常生活を送るのが非常に難しい
2級:働くことが難しく、日常生活に大きな支障がある
3級:日常生活や社会生活に支障がある

精神障害者保険福祉手帳の申請先は、都道府県(東京都、大阪府、兵庫県など)や政令指定都市(仙台市、名古屋市、横浜市、大阪市、京都市、福岡市など)・中核市といった自治体です。精神障害者保険福祉手帳を持つことによって、税制の優遇、公共料金の割引などの福祉サービスを受けることができます。

精神障害者保健福祉手帳交付のメリット

メリット1

精神障害者保健福祉手帳を習得するメリットの一つは就労支援で、障害者雇用枠での就職や転職が可能ということです。障害者雇用促進法では、45.5人以上の従業員のいる企業では従業員の2.2%以上の障害者を雇用しなければならず、もし、この雇用率を達成できていなければ、障害者雇用納付金を納めなければなりません。しかし、雇用率を達成し、かつそれ以上の雇用数であれば逆に国から障害者雇用調整金が支給されます。なお、障害者手帳を持っている人だけが雇用率計算の対象となるのです。

また、障害者枠を使うことにより、自分の能力と適正に応じた仕事をすることができますし、通院や治療にかかる時間等も考慮してもらえます。周囲の理解が得やすいので、まわりから障害者としての配慮を受けやすくなるでしょう。したがって精神的な安定も得やすいのです。

メリット2

障害の等級や自治体よって控除額は異なりますが、精神障害者保健福祉手帳があると所得額に従って所得税や住民税といった税金の控除を受けることができます。さらに1級の障害者と同居している場合、配偶者控除・子供などの扶養控除に加算があるのです。生活保護を受けている人でも加算できる場合があります。これらは年末調整か確定申告で申告することで可能です。そのほかにも相続税や贈与税の割引が受けられますし、障害者が所有する自動車税の減免を受けることもできます。

メリット3

さらにメリットとしてタクシーや鉄道やバスの運賃の割引があるのです。これまでは身体障害者者や知的障害者のみが割引対象とされていましたが、精神障害者にも割引の適用が広がりつつあります。また、航空機も精神障害者への割引適用を検討中です。JRは残念ながら現時点ではまだ精神障害者保健福祉手帳による割引制度はありません。タクシー利用券の交付やガソリン代の補助をおこなってくれる自治体もあります。

メリット4

NHKの放送受信料が半額割引または全額割引が可能です。携帯電話ではNTTドコモのハーティ割引、auのスマイルハート割引、ソフトバンクのハートフレンド割引といったものがあり、基本料金の割引などがうけられます。さらに公立の美術館や博物館、動物園など、公共施設の入場料の割引もあるのです。

精神障害者保健福祉手帳の申請方法・更新と必要書類

申請の条件として、初診から6カ月以上経過していることが必要です。申請の受付先は各市区町村の福祉事務所や福祉担当課といった障害福祉担当窓口になります。

申請に必要なもの

1.申請書
2.精神障害者保健福祉手帳用の診断書または障害年金証書の写しなど
3.顔写真
4.マイナンバーがわかるもの(個人番号カードか、通知カードおよび運転免許証やパスポートなど

なお、本人に代わって代理人が申請する場合は、委任状や申請者本人の健康保険証などの代理権の確認書類および、個人番号カードや運転免許証といった代理人の身元確認書類が必要です。

申請の手順

まずは、精神障害者保健福祉手帳用の診断書の用紙を各市町村区の障害福祉担当窓口で入手します。そして、主治医に「診断書」を記入してもらうのです。「申請書」を記載して「診断書」とあわせて写真とマイナンバーのわかる書類を提出します。その後、等級が決定され精神障害者保険福祉手帳が交付されるのです。申請から交付まで約1カ月~4カ月かかります。

なお、申請のポイントとしては、診断書は「初診」から6カ月経過しないと作成できないので注意です。また、交付されるまで1カ月半ほどかかり、場合によっては4カ月かかることもあります。そのうえ、精神障害者保健福祉手帳の表紙にはプライバシーを考慮して「障害者手帳」としか書かれていないので、手帳を提示した際、相手に誤解されないように注意しましょう。

また、精神障害者保健福祉手帳は、2年間が有効期間です。継続して手帳を必要とする人は、忘れないように更新申請をしなければいけません。診断書の提出も再び必要となります。有効期限の3カ月前から更新の申請ができますので早めに用意しておきましょう。

更新の申請に必要なもの

1.現在お持ちの手帳の写し
2.交付申請の時と同じ書類
3.本人の写真
4.印かん

有効期限内でも、障害程度の変化により等級の変更希望の申請が可能です。変更が認定された場合、変更決定日から2年間が有効期間です。変更申請の際は上記に加えて現在使用中の手帳のコピーを持参しましょう。

精神障害者保健福祉手帳のデメリット・注意点はある?

精神障害者保健福祉手帳を取得するデメリットは特にありませんが、しいて言うと、申請の際の診断書に料金がかかること、二年に一度更新をしなければならないことがあります。

手帳がなくても受給できる福祉サービスもありますので注意しましょう。障害年金の受給と精神通院といった自立支援医療の申請は精神障害者保険福祉手帳がなくても申請が可能です。そのほか、「心身障害者医療費助成制度」を利用することができます。これは保険証を提示することによって医療費の自己負担金の助成が可能となる制度です。心身障害者医療費助成制度は、精神障害者も助成対象としている自治体の場合は手帳なしで受けられるところもありますし、手帳の所持者を対象としているところもあります。最寄りの自治体に確認するようにしましょう。

精神障害者保健福祉手帳をよく理解してから検討しましょう

精神障害者保険福祉手帳の申請から取得までの流れと注意すべき点について見てきました。精神障害者保険福祉手帳は障害者の自立支援サービスやサポートを受けることができることを証明するものです。手続きの仕方については、最寄りの自治体の福祉担当窓口に問い合わせをするか、市区町村のホームページで最新情報を確認しておくのがおすすめです。最近は窓口におもむかなくても自宅で「診断書」の書式がホームページからダウンロードできる自治体も増えてきています。精神障害者が安心して自立した生活をおくることができるためにも、精神障害者保険福祉手帳をよく理解したうえで活用を検討するようにしましょう。

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