2025.06.08
こんにちは、栃木・群馬の障がい者グループホーム「ファミリー」編集部です。
ふとした瞬間に、あのメロディーが頭の中をグルグル…。止めようとしても止まらない――そんな経験、ありませんか?それは「イヤーワーム(ディラン効果)」と呼ばれる現象かもしれません。
今回は、イヤーワームの正体や発生のメカニズム、そして実践できる対処法について詳しくご紹介します。
目次
イヤーワーム(earworm)とは、聞いたことのある音楽や歌の一部分が、頭の中で繰り返し再生されてしまう現象のこと。
「ディラン効果」とも呼ばれ、特定の音楽が強く記憶に残り、無意識に再生され続ける状態を指します。たとえばアニメソングのサビなどが一日中リピートされる…なんてことも。
ちなみにこの現象は19世紀から知られており、作家マーク・トウェインも著書「トム・ソーヤーの冒険」で「ひとりでに音楽が頭の中で流れ始める」と書いています。
ある研究で、イヤーワームに登場しやすい楽曲の共通点が次の3つであると判明しました。
テンポが速い テンポの速い曲ほど、脳が反応しやすい傾向があります。
親しみやすい旋律 例えば童謡のような「一度上がって、下がる」メロディーラインは、記憶に残りやすいと言われています。
ちょっと変わった音程の動き(跳躍進行) 耳に引っかかる独特なフレーズがあることで、より強く印象に残るのです。
この3つの要素を持つ曲の代表例が、アメリカのミュージシャン、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。これが「ディラン効果」という別名の由来となっています。
イヤーワームが起こる原因は以下の4つが考えられます。
また、女性の方が男性よりもイヤーワームの持続時間が長く、不快感を感じやすい傾向があるとも言われています。
イヤーワームを止められる確実な方法はまだ見つかっていません。ですがイヤーワームをおさえるのに効果があると思われる方法がありますので以下にご紹介します。
噛むという動作で意識を分散させ、思考を中断することができます。英国の研究でも効果が認められました。
特に5文字のアナグラム(例:「カレーライス」→「辛いレース」)が効果的。脳を別の方向に集中させることでイヤーワームを抑えられます。
気になる曲とは違う、好みの曲を意識的に聴いて「上書き」しましょう。
ぼんやりしているときほどイヤーワームが出やすいので、別の活動に意識を向けるのが効果的です。
曲をはじめから終わりまで通して聞くことで、特定のメロディーのループ地獄から脱却することができ、イヤーワームの問題が解決できることもあります。
どうしても止まらない場合は、あえて放っておいて脳が疲れるまで繰り返すのも一つの手段。無理に止めようとするよりも効果があることもあります。
「強迫性障害」とは、日常生活に支障があるほど、ひとつの確認や行為が何回も頭の中で繰り返されるものです。
イヤーワーム自体は多くの人が経験したことがあるものですが、勉強や仕事に集中できないほど悩まされているのであれば、強迫性障害やうつ病が隠れている可能性があります。
しかし、明るく元気になる曲がイヤーワームとして流れると、むしろ気分を上げてくれることもあります。大切なのは、イヤーワームと上手につきあうこと。
この記事で紹介した対処法を参考に、うまくコントロールしてみてください。もしかしたら、この記事を読んでいる間に、イヤーワームが和らいできたかもしれませんね。