2022.06.02
高齢者の認知機能や体力の維持にはレクリエーションが有効です。
レクリエーションは高齢者が集団で競い合ったり楽しんだりすることができます。
介護施設では、こういったレクリエーションがさかんに取り入れられています。 健康のためだけではなく集団活動による社会性を高めるものとしてもレクリエーションのメリットは大きいですね。
この記事では高齢者向けのレクリエーション20選をご紹介します。
目次
脳トレのレクリエーションとは、クイズなどで楽しく脳を活性化するものです。 認知症の予防につながるとともに、予想していなかった部分が活性化することもあります。
・間違い探し 2つのよく似た絵を見せ、どこが間違っているのかを当てるゲームです。 集中力や観察力が必要で、しかも適度に思考をめぐらせるため認知症を予防できます。
・クイズ、なぞなぞ クイズの中でも有名なしりとりは、前の人が言った言葉の最後の文字から始まる言葉を次の人が言うもので、脳のトレーニングになり認知症を予防します。 単純なしりとりではなく、「2文字限定」とか「駅名限定」「飲み物限定」など、バリエーションを持たせると飽きることなく楽しむことができるでしょう。
また、なぞなぞは、想像力をめぐらせて質問に対する答えをみつけるためいい頭の体操になります。
・数字、漢字 足し算や引き算を行う数字ゲームや漢字の読み書きなどを行う漢字ゲームです。 応用型として、壁面にランダムに数字を並べて、その中から特定の数字だけに丸をつけるスピード丸つけというゲームもあります。また、バラバラになった漢字を組み立てて熟語を完成させる漢字バラバラパズルもあります。
・カードゲーム 百人一首やトランプ、かるたといったカードゲームは、作戦を立てたり、カードを記憶したりすることで脳を活性化することが可能です。
・お絵描きしりとり お絵描きしりとりとは、言葉を使わず、順番に絵を描いていくしりとりのことです。
最初の高齢者がスケッチブックに絵を描き、次の人に渡します。 受け取った人は、スケッチブックの絵を見て、最初の人が何の絵を描いたかを予想し、その絵の最後の文字から始まる言葉の絵を描きます。 そうして参加者全員が描き終わるまでスケッチブックを回すのです。 前の順の人が描いた絵は何なのかを想像したり、次は何を描こうかと考えたりすることから楽しく記憶力や思考力を鍛えることが可能です。
エクササイズのレクリエーションとは、運動をしながら楽しむレクリエーションのことです。 運動と言っても、誰でもできる簡単なものです。 体を動かすのでリハビリ効果があるとともに、生活にリズムが生じてきます。 加えて、ストレスの発散もできます。
・体操 みんなで体操をすることで、楽しくリハビルをすることができ、運動不足を解消します。
・風船バレー 風船または紙風船のボールを使ったバレーボールです。 風船や紙風船なので、ケガの心配がありません。
風船バレーは屋内でも行うことができますし、椅子に座って行うことも可能です。 ボールを目で追いかけるため、動体視力や空間認知能力も鍛えられます。
・家庭菜園 季節の花々、野菜、果物などを施設のベランダや屋上で育てるレクリエーションです。 植物を育てることの楽しさや収穫する時の達成感を味わうことができます。・ペットボトルボウリング
プラスチック製のピンとボール、あるいはペットボトルとゴムのボールを使ったボウリングです。
10本のピンを正三角形に並べて、一定の距離から高齢者がボールを投げてピンを倒します。 楽しみながら脚や腕の筋肉を強化することが可能です。
・ヨガ、ピラティス ヨガは、体を柔軟にし、筋力や持久力やバランス能力を高めることができます。 また、瞑想することで、脳を休め認知症予防が可能です。 さらに、独特な呼吸法によって心血管機能や呼吸機能を高め、抑うつや認知症を抑えることもできます。
ピラティスは胸式呼吸をしながら、ゆっくりとした動作をすることで、鍛えにくく衰えやすいインナーマッスルに働きかけます。 体への負担が少なく、手軽に脳を活性化できるので認知症予防も可能です。
上記以外にも、「室内ゲートボール」や「投げ輪」のような車椅子に乗ったままでもできるテーブルゲームも人気があります。
心のケアのレクリエーションとは、歌ったりすることによって高齢者が楽しめるレクリエーションのことです。 自宅から離れた所で生活していることに対する不安感や緊張感、人間関係の悩みなどを取り除き、ストレスを低下させます。
・音楽コンサート 歌ったり、曲を聴いたりすることでストレスを解消し、心肺機能を高め、脳を活性化させることから認知症や認知症予防に効果があるレクリエーションです。
音楽を楽しむことは心や体に良い影響を与え、生活の質を向上させることができます。
・マッサージ 植物の成分が詰まったエッセンシャルオイルによるアロマを使って、マッサージを行うものです。 リラクゼーション効果や認知症予防にも効果があります。
・セラピー セラピーとは、足裏のマッサージや顔面のマッサージを行い血行促進させ新陳代謝を促す治療法のことです。 唾液の分泌量が増し、筋肉のコリをほぐすことでリラックス効果があり、ストレスを発散することが可能です。
・園芸 高齢になるに従って園芸の愛好者が増えてくると言われています。
土を作ったり植物を植えたり水をやったりと、手を動かすことでリハビリ効果が期待できるでしょう。
・楽器演奏 簡単で軽い楽器を奏でます。 例えば、タンバリンやマラカス、鈴といったものです。
楽器を使わなくても、音楽に合わせて足踏みしたり手をたたいたりして音を出すのもいいでしょう。 みんなと合わせて楽器を演奏することで、集中力が高められますし、演奏メンバーとの一体感や達成感を感じることもできます。
創作・アートのレクリエーションは、折り紙などの創作活動を行うものです。 調理の他にも、ひな祭りの人形や飾りなど簡単な工作などがあります。 指や手を動かすため、楽しく脳トレができ、認知症を予防することができます。
・折り紙 折り紙は、作る楽しみがあり、幼少期を思い出して熱中しやすいレクです。 手先を動かすため、認知症予防にも効果があります。
よくできた作品は人にプレゼントしたり飾ったりできるので、モチベーションと社会性を高めることが可能です。
・編み物 編み物は、手先をリズムよく動かしながら編み物の目や段を数えていきます。 編み物を継続するなかで脳は多くの栄養を必要とするため、脳の血流を促進させることで認知症を防止します。 また、記憶力や集中力、創造力、コミュニケーション能力を向上させるとともに空間認識のための脳トレとしても効果的です。
・俳句 名句誕生ゲームという俳句を使ったゲームがあります。 まず始めに、スタッフが黒板に季語をたくさん書きます。 例えば、春の場合は「初春」などです。
そして、高齢者はその季語に合った俳句を作り、その句をみんなの前で音読して発表します。 じっくり考えることで脳が活性化し、認知症を予防します。 また、名句ができた場合は達成感とともに自己肯定感を高めることが可能です。
・工作 工作や折り紙・塗り絵・手芸・ちぎり絵・生け花などは、指先と想像力が必要です。 作業には、工程を考えたり工夫したりすることが必要なため、脳を使うことで認知症を予防します。 作品が完成した時の達成感も得られます。
・調理 手先を動かしながら、いろいろ考える調理は、脳や身体機能の向上に効果があります。 調理経験がある人は、得意科目なので自信がよみがえってくるでしょう。
調理経験のない人は、まわりの人の支援を受けながら、楽しく調理を学ぶことができます。
レクリエーションは、たくさんの高齢者が楽しみながら運動不足の解消や認知機能の向上、気分転換ができるのが特徴です。 高齢者の自立した生活を支援するためにも大切な役割をはたしているということができるでしょう。
介護施設等のスタッフは、本人の意思を尊重したうえで、可能な限り全員が楽しくなごやかな雰囲気でレクリエーションに参加できるように心配りをしてあげることは大切です。
この記事でご紹介したいくつかのレクリエーションを、ぜひとも取り入れてみてはいかがでしょうか。