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言語聴覚士とは?主な仕事内容や資格の取得方法について

言語聴覚士とは?主な仕事内容や資格の取得方法について

2022.03.15

数多くの介護職の中にはリハビリ専門の専門職があります。そのリハビリ専門職の中には、言語聴覚士という専門職があります。

この言語聴覚士はどんな仕事をしているのか分からないという人は多いのではないでしょうか。確かに、普通の生活をしている人は、日常生活で言語聴覚士に関わる機会はほとんどありません。

しかし、リハビリ専門職を目指す場合は、該当する職種について知っておく必要があるでしょう。そこで、言語聴覚士の主な仕事内容や、資格の取得方法についてこの記事ではわかりやすく解説していくこととします。

ぜひ、将来の資格を目指すうえでご参考にしていただければ幸いです。

言語聴覚士とは? 

言語聴覚士とは、言葉によるコミュニケーションに問題がある人に専門的サービスを提供する職業と定義されます。そういった人とその人のご家族が自分らしく豊かな生活が送れるように支援を行います。簡単に言えば、言語聴覚士は、話す・聞く・食べるのスペシャリストというわけです。

コミュニケーションの問題には、脳卒中による失語症、ことばの発達の遅れ、聴覚障害、声や発音の問題などたくさんのものがあります。また、小児から高齢者まで幅広い年齢層にその症状が現れるようです。

言語聴覚士はこういった障害の対処方法を見つけ出すための検査・評価を行います。そして、訓練、指導、助言に加えて、言語や聴覚、認知、さらに、摂食、嚥下(えんげ)などの問題のサポートを行うのです。

言語聴覚士の仕事内容をわかりやすく解説

言語聴覚士はコミュニケーションの問題、たとえば脳卒中による言語障害、音声障害、聴覚障害、言葉の発達の遅れなどに対処します。

言語障害は大脳の言語中枢の損傷や神経の麻痺、筋力の衰え、記憶障害や認知機能の低下、コミュニケーションをとるために必要な関係性の発達の遅れなどさまざまなことが原因です。また、摂食・嚥下障害は、神経の麻痺や筋力の衰えが原因として考えられます。

言語聴覚士はこういった問題を検査したり、評価を行ったりします。そして、それぞれの人にあった独自の訓練プログラムを策定し、プログラムに従って訓練や支援を行うのです。

言語聴覚士は教育、医療、保健・福祉、などの幅広いエリアで活動しています。そういったエリアで、医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療専門職と連携するのです。また、ケースワーカー・介護福祉士・介護支援専門員などの保健・福祉専門職とも連携することがあります。さらに、教師や心理専門職のチームの一員とも連携するのです。

言語聴覚士による具体的な訓練内容は以下のとおりです。

  1. 食べ物がうまく飲み込めず、口から出てしまったり、むせこんでしまったりする人の原因調査をして、その対処の訓練を行います。
  2. 認知症や脳梗塞、交通事故などが原因で言語障害になった人のためリハビリテーションのプログラムにより、成人言語・認知の訓練を行います。
  3. 失語症や構音障害、音声障害、高次脳機能障害の人に社会復帰を目指して、発声・発話の訓練を行います。
  4. 子供の言葉の遅れに対して、絵本を見せたりしながら文字が書けるように訓練を行います。また、家族や教育機関とともに子供に整備された周辺環境を提供するのです。
  5. 聴覚障害は先天性なものと、事故や高齢化といった後天的なものとがあります。聴覚検査や聴き取り調査を行って患者の障害の状態を調べ、補聴器や人工内耳などを使って言語の訓練を行うのです。

なお、言語聴覚士はその必要性が高まり、1997年に国家資格となりました。毎年約1,500名が合格し、現在では有資格者数は3万人を超えています。

言語聴覚士になるには?資格の取得方法について

言語聴覚士になるは、指法律で指定された教育課程を経て国家試験に合格する必要があります。そして、国家試験を受験するためには、文部科学大臣が指定する学校や、都道府県知事が指定した養成学校を卒業する必要があるのです。試験は毎年3月に行われ、合格率はおおむね50~60%になります。

国家試験の受験資格取得のためには、高校卒業が最低限の条件とするいくつかのコースがありますのでご紹介しましょう。

1.4年制大学を卒業するコース

「言語聴覚学科」や「言語聴覚学専攻」が設置されている総合大学・医療福祉大学・保健科学大学を卒業します。ここでは、言語聴覚療法と深い繋がりをもつ医学や心理学などが専門の学部・学科とも連携することにより、言語聴覚療法を多面的に深く学ぶことができます。

また、4年制大学ゆえに、専門知識のみならず一般教養を幅広く身につけることが可能です。

4年間の大学生活でいろんな人との交流を通じて、さまざま人生経験を積むこともできます。この経験が、将来患者さんとのコミュニケーションづくりに役立つのです。

2.3年制短大を卒業するルコース

4年制大学同様、短大でも言語聴覚療法の専門知識のみならず、一般教養まで幅広く習得できます。「なるべく早く基礎知識と技術を身につけたて、早く現場で働きたい」という人におすすめです。

自分とは違った学部や学科の人、あるいは違う趣味をもつ人などにも遭遇することでしょう。大学生活で受けたいろんな刺激や人と交わることで高められたコミュニケーション力も、言語聴覚士の仕事にとって頼もしいスキルとなることでしょう。

3.4年制または3年制の専門学校を卒業するコース
専門学校では、言語聴覚士の国家資格受験、および現場で働くことを目的とした、実践的なカリキュラムが組まれます。病院などでの「臨床実習」や「国家試験対策」に大学や短大よりも力を入れていることが特徴です。

4.一般の4年生大学を卒業して言語聴覚士の2年制の養成校等に進学するコース
一般の4年制大学を卒業して、さらに2年制の厚生労働省が指定する言語聴覚士養成学校等を卒業すれば国家試験の受験が可能となります。

なお、最近の言語聴覚士国家試験の合格率は、50~60%です。一方、理学療法士や作業療法士は同じリハビルテーション職ですが、合格率は、例年80%程度となっています。従って言語聴覚士の資格は、リハビリ系国家試験の中では比較的難しい方と言えるでしょう。しかし、大学や専修・専門学でしっかり勉強すれば、十分に合格を勝ち取ることは可能な資格です。

言語聴覚士はコミュニケーションのスペシャリスト

この記事で述べてきたように、言語聴覚士の資格を取得するには、言語聴覚士の養成課程のある大学等を卒業して国家試験をパスする必要があります。言語聴覚士への道のりは決して平坦なものではありません。

人間にとって、コミュニケーションをとったり食事を摂ったりすることは生きていくうえで不可欠であり、避けて通ることはできません。そして、こうした問題を抱えている人は、計り知れない人生の重みを背負って生きていることでしょう。

言語聴覚士としてそういった人をサポートすることで問題が改善されれば、それまでの患者さんの生活も人生も一変してしまいます。それだけに、言語聴覚士はとてもやりがいがある仕事と言えるでしょう。

「ひと頃にくらべて食事が楽しくなった」とか、「人と話すことが楽しくなった」などと言う患者からの感謝の言葉を聞くと、このうえない喜びとやりがいを感じることでしょう。

日本は少子化や高齢化が加速し、医療や介護に携わる人材のニーズはますます高まってきています。そして、幼い子供から高齢者にいたるまで幅広い世代に渡って言語聴覚士の活躍の場は今後ますます増えていくことでしょう。

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